武人の国

「「「はぁ……はぁ……」」」

「ウッ……クッ……」

立つのもやっとなくらいボロボロになりながらも三人はジェイを瀕死とまではいかずとも戦闘続行は不可能な状態にして撃破することに成功する。

「ちっ!!しくじったか。役立たずめ……だが!貴様らもその身体では何もできまい!!」

パァァァ・・・バチッ!!・・・バチッ!!

そんななか、シオマネキングがそう言いながら左手の鋏から巨大なエネルギー刃の鋏を形成する。

「私自ら、引導を渡してくれる!!」

「「「!?」」」

シオマネキングはそう言いながらエネルギー刃の鋏で三人を斬り裂こうとする。

バッ!!ガシィィィンッ!!

「「「「!?」」」」

「クッ……!!」

が、倒れていたジェイが最後の“力”を振り絞りながら立ち上がり、両腕を広げてシオマネキングのエネルギー刃を受け止める。

「貴様!!」

「クッ……早ク……逃ゲ……テ……!!」

「「「ジェイさん!!」」」

「ッ!!」

「「「!?」」」

ジェイがそう言いながらエネルギー刃を受け止めるなか、近くで戦っていた尚美が三人を抱えながら離脱する。

ズバアアアァァァンッ!!

「グオオオォォォーーーッ!?」

「「「ジェイさぁーん!!」」」

その直後、ジェイはエネルギー刃の鋏に鋏まれ、大ダメージを受ける。

パァァァ・・・ドサッ!!

「「「ジェイさん!!」」」

クロコダイルオルフェノクとしての姿から人間態に戻りながら倒れ込むジェイに三人はそう言いながら駆け寄る。

「モ、妹紅サンニ……伝エテクダサイ……今マデオ世話ニナリマシタ……サンキュー………」

「ジェイさん……!!」

「「ッ……!!」」

今にも消え入りそうな声でそう言うジェイに対し、フランは悲痛な表情でそう言い、夜見とシュガーは涙を堪える。

「ちっ!!つくづく使えない奴が余計な真似をしやがって……」パチンッ!!

そんななか、シオマネキングがそう言いながら右手で指パッチンした瞬間、奥の方から子ども達が変身した方の人工オルフェノクがぞろぞろと出てくる。

「最初からこいつらを使えば良かった……」

「……許さない……!」

「あ?」

「人を脅し、人を操って戦わせる……おまえだけは絶対に許さない!!」

カァァァ

いつの間にか口元のマントが取れていた夜見がそう言いながら立ち上がった瞬間、夜見の額に白いオルフェノクの紋章が浮かび上がる。

「!?貴様ッ!?」

「「!?」」

ドォォォンッ!!ビュオオオォォォッ!!

次の瞬間、夜見を中心に吹雪が爆発するように発生する。

ビュオオオ・・・パキィィィンッ!!

「・・・」

吹雪が晴れた次の瞬間、所々にスノードロップの意匠があり、背中からスノードロップの花弁のような三対の翼が生えた、瞳が青の天使のような白いオルフェノク・・・オリジナル上級オルフェノク、スノードロップオルフェノクに覚醒した夜見が姿を現す。

「!?なっ!?」

「夜見さんが……」

「オルフェノクに変身した……」

バサァッ!!

スノードロップオルフェノクに変身した夜見の姿にシオマネキングがそう驚愕の声を上げ、フランとシュガーが思わず呆然としながらそう言うなか、夜見は翼を羽ばたかせて飛翔する。

それにより雪の花弁のような羽根が辺りに舞い散る。

パァァァ・・・

「!?傷が……!?」

「治っていく!?」

すると次の瞬間、フラン達の傷が癒えていく。

パァァァ・・・

『!?』

更には人工オルフェノクに変身した吉良配下の武人や再調整で操られた子ども達の身体から人工オルフェノク因子が凍りついた状態で飛び出し、

パキィィィンッ!!パァァァ・・・

ドサッ!!ドサッ!!

砕け散ると同時に人工オルフェノクとしての変身も解除され、武人と子ども達は倒れ込んだ。
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