武人の国

佳奈多VS影虎・・・

「ぐっ……おのれ……!!」

「はぁ……はぁ……」

バンシィ・マスクドフォームに変身した佳奈多は今、バンシィのスペックと長年の戦闘経験から培った実力でアマゾンネオアルファに変身した影虎を圧倒していた。

が、佳奈多もまたバンシィゼクターから流れてくるシェリーとしての記憶と人格、戦いに対する闘争本能に徐々に呑まれそうになっていた。

(くっ……これ以上長引かせるのはキツいわね。はやてを助けるためにも早々に決着を着ける!!)

パァァァ・・・

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

佳奈多はそう思いながら右腕のBSでビームを収束させ、高出力のビームサーベルにして斬りかかる。

「くっ!!」

バチバチッ!!

ガキィィィンッ!!

対する影虎は能力で高出力の電気を纏わせたネオアルファスイーパーで受け止め、鍔迫り合いをする。

「これでどうだ!!」

「!?」

そんななか、影虎はそう言いながらネットワークで繋がった子ども達の思念を利用して子ども達の悪意を佳奈多に向けさせる。

「うっ……くっ……」

バンシィのサイコフレームによって感応波の感受性が上がっている佳奈多は頭を抑えながら、影虎から距離を取りながら苦しみ始める。

「うっ……あぁああぁぁぁあぁぁあああぁあぁぁあぁあああぁああぁああぁぁぁあぁぁあああぁあぁぁあぁあああぁああぁっ!!?」

『Cast Off』

佳奈多がそう苦しみの叫びを上げながら仰け反った瞬間、サイコフレームが赤みがかった金色の光を放ちながら膨張し、各部装甲が展開されていく。

パキィィィンッ!!

『Change Destroy』

次の瞬間、佳奈多は闘争本能に呑み込まれると同時に通常のユニコーンモードであるマスクドフォームからデストロイモードであるライダーフォームに変わる。

「!?」

(な、なんだ?雰囲気が……)

「バンシィ……憎しみを流し込めえええぇぇぇーーーっ!!!」

「!?」

ズガァァァンッ!!

佳奈多の雰囲気が先程までと違うことに影虎がそう思いながら首を傾げるなか、デストロイモードに変わると同時に『消えた戦争』時代で再調整を受けていた時の人格であるシェリーの人格に変わった佳奈多が目を赤く光らせながらそう言った瞬間、佳奈多シェリーを中心に強い衝撃波が発生し、影虎を吹き飛ばす。

「ぐはっ!?」

(なんだ?この強さは!?)

吹き飛ばされた影虎がそう困惑するも束の間、

「フッ!!」

「!?」

ズシャァァァンッ!!

「ぐぎゃあああぁぁぁっ!?」

いつの間にか肉簿していた佳奈多シェリーが展開した左腕のVNのクローで影虎の右腕を引きちぎる。

「はぁっ!!」

ドカァァァンッ!!

「がはっ!?」

その直後、佳奈多シェリーは影虎を蹴り飛ばし、壁に叩きつける。

パァァァ・・・

それにより、影虎のアマゾンネオアルファへの変身が解除される。

「ば、化け物め……」

「皆……消えてしまえっ!!!」

ズガアアアァァァンッ!!

右腕を引きちぎられ、壁に蹴り飛ばされ、変身も解除された影虎がそう言うなか、佳奈多シェリーはそう言いながら止めを刺そうと右腕のBSから高出力のビームを放つ。

ズガアアアァァァンッ!!

「「!?」」

が、何処からか放たれた別のビームにより、相殺される。

「全く……心配になって来て様子を見ていたが、やはり暴走したか!!」

次の瞬間、ビームが放たれた方からアリサと共に来ていた、リサから借りたアーマード状態のユキを装着した佑人がそう言いながら、ビームマグナムを構えながら現れる。

『ですが、あれは仕方ないかと思われます。』

「同感だ。久しぶりに、あいつを止めるぞ!!」

『了解です。マスター!!』

佑人はユキとそう話しながら佳奈多シェリーの方へと突っ込んでいく。

「ッ!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

対する佳奈多シェリーはすぐさま十数弾のビーム弾をかわす。

「『ッ!!』」

佳奈多シェリーが放ってきた十数弾のビーム弾を佑人は紙一重でかわしながら距離を詰め、

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

実体剣で斬りかかる。

「ッ!!」

ガキィィィンッ!!

が、佳奈多シェリーはクローで佑人の実体剣を受け止め、両者はそのまま鍔迫り合いを始める。

「ッ……」

(今の内に……!!)

・・・フッ・・・

佑人と佳奈多シェリーが鍔迫り合いをしている隙に影虎は『瞬間移動』のサイキックを使ってその場から離脱する。

ガキィィィンッ!!

「ユニコーン……希望島……倒すべき敵!!」

「目を覚ませ!佳奈多!!あの時の戦いはもう終わっている!!」

ガキィィィンッ!!

その直後、互いに距離を取った佳奈多シェリーと佑人はそう言いながら再びぶつかり合った。
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