現在、吉良邸、地下通路・・・

「いくわよ。バンシィ。」

『ＯＫ, Boss.』

真剣な表情でそう言う佳奈多の手にバンシィゼクターはそう言いながら収まる。

バンシィゼクターをバックルにセットする。

カァァァ・・・

すると、バンシィゼクターを中心に変身シーケンスが全身に広がっていく。

「すぅ……はぁ……」

沸き上がる本能を抑えるように深呼吸をする。

「……変身！！」

『Henshin』

パキィィィンッ！！

次の瞬間、佳奈多はバンシィガンダムがそのままライダーの形になったようなライダー・・・オリジナルライダー、仮面ライダーバンシィ・マスクドフォームに変身する。

「フッ！！」

ズドドドドドォォォンッ！！

変身した後、佳奈多は右腕のBSで数弾のビーム弾を影虎に向けて、放つ。

「ッ！！」

対する影虎は発電能力で干渉してなんとか軌道をずらす。

「はぁっ！！」

「！？」

ドカァァァンッ！！

が、その隙に肉簿した佳奈多は左腕のVNで思いきり殴り飛ばす。

「ぐわっ！？」

「影虎の相手は私が引き受けるからあなた達は先に進みなさい！！」

「ぐっ……行かせるか！！」

影虎はそう言いながら右腕のネオアルファスイーパーの銃口をノゾミ達三人に向ける。

「させない！！」ｶﾞｯ!!

「ッ！？」

が、佳奈多がそう言いながら、肉簿しながら影虎のネオアルファスイーパーを押さえ、

ズガガガァンッ！！

「ぐわぁぁぁっ！？」

右腕のBSの銃口を影虎の腹に押し当て、０距離でビーム弾を食らわせ、吹き飛ばす。

「佳奈多さん！……ッ……“力”に呑まれないように気を付けて……行くわよ！！ノゾミ！！セッテ！！」

「「はい！！」」

そうして三人は先へと進む。

「くっ……」

シュウウウ・・・

そんななか、影虎は多才能力で獲得していた『肉体再生』のサイキックを使い、先程のビーム弾で受けた傷を再生させる。

「あなたに一つ、聞いてもいいかしら？」

「なんでしょう？」

「あなたの目的は一体何？『Ｘマジンラー』の所属でありながら恐らく独断でショッカーやこの国の裏切り者の武人と組んで拐った子ども達を人工オルフェノクに変えただけじゃなく再調整の応用で繋げた脳波のネットワークを利用して多才能力を獲得し、更にはそのネットワークとはやての中にある『闇の書の闇』の欠片を利用してはやてを無理やり絶対能力に進化させた……そこまでして一体何を望んでいるの？」

佳奈多は真剣な表情でそう影虎に尋ねる。

「……私は証明したいだけですよ……」

「証明？」

「私は『Ｘマジンラー』の創設期から超一流の科学者としてあの方に仕えてきました……ところが！！人工キメラ製作者、御劔燐やソロモンという悪魔、スカリエッティの後任として雇われたDrプロヴィデンスが現れてからというもの、組織は古株である私よりも奴らを重要視するようになった！！だから、私は今回、絶対能力を誕生させて証明するんです！！奴らよりも私が優秀だということを！！！」

カァァァ・・・ズドドドドォォォンッ！！

影虎は燐やソロモン、Drプロヴィデンスへの嫉妬を露にしながら能力で四つの光球を展開し、そこからレーザーを放ってくる。

「ふざけるんじゃないわよ！あなたは二木の下衆共と同じよ！自分達のくだらないプライドに、何の関係のない子ども達を巻き込む……あなたのような人間がいる限り、同じ過ちが何度も繰り返される！！」

対する佳奈多はそう言いながら影虎に向かっていった。