武人の国

翌日、吉良邸・・・

「まだその八神はやてという小娘から情報を聞き出せないのか?」

「申し訳ありません。吉良様。」

「尋問を担当したクロコダイルオルフェノクに一応発破はかけているが……」

真剣な表情でそう尋ねる如何にも悪代官な風貌の男、吉良神碼之助に対し、影虎とシオマネキングはそう言う。

「ふん。オリジナルの上級オルフェノクも尋問させるには役立たずか。」

「まぁまぁ、八神はやてへの尋問は実験の準備をする間の暇潰し。準備が完了した今、情報が取れようが取れまいが関係ありませんよ。」

「その実験が成功すればな。」

「しますよ。そのために用意周到に準備してきたんですから。」

影虎はそう言いながら吉良とシオマネキング、数人のショッカー戦闘員と共にはやてとジェイがいる部屋へと移動する。

「!?影虎!!」

「ッ……」

「尋問お疲れ様。クロコダイルオルフェノク。一旦出てってください。」

「!?何ヲスル気ダ!?」

「貴様が知る必要はない。それとも、あの犬と娘を痛めつけられたいのか?」

「ッ!?」

そう言うシオマネキングの言葉にジェイは思わずたじろぐ。

「ジェイさん。私は大丈夫やから……」

「ハヤテサン……ソーリー……」

ジェイははやてにそう謝罪しながら部屋から出ていく。

「さて、それじゃあ始めましょうか。」

「!?」

影虎はそう言いながらリモコンのスィッチを押した瞬間、はやてが横たわっているベッドが起き上がり、張りつけ台のようになる。

「おまえ達!!」

「「「イィーッ!!」」」

「!?」

続いて、シオマネキングがそう戦闘員達に指示し、何らかの機械をはやての頭に取り付ける。

「私も再調整で操る気か!?」

「操る?フフフ……ただ操るなんて勿体ない……」

影虎はそう言いながらはやてに近寄り、右手ではやての顎を持ち上げる。

「あなたは今から『神の領域』に至るんですよ。この私の才能によってね。」

「!?神の……領域やて……!?」

「さぁ、実験の開始です!!」パチンッ!!

「!?」

影虎がそう言いながら指パッチンした瞬間、はやての脳波が再調整によって調整され、影虎を核とした子ども達のネットワークと繋がる。

そのネットワークから子ども達のサイキックと共に黒い『何か』が流れ込み、はやての中の『闇の書の闇』の欠片を刺激し、混ざり合う。

(な、なんや?これ)

次の瞬間、はやての意識が途切れた。
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