城下町・・・

「なんか……江戸時代にタイムスリップした気分ね……」

「それでこの三日間で何か進展は？」

「新撰組の方も加わって聞き込み調査を続けた結果、とある士官の周囲が怪しいという情報が出たんですが、それ以上は何も……事件の黒幕であるショッカーもこの三日間で特にこれといった動きはありません。」

入国した後、町を見渡しながら美琴がそう言うなか、そう尋ねるアミタに対し、早苗は案内しながらそう答える。

「そうですか……デュオさんの怪我の具合は？」

「そちらの方は大丈夫です。結花ちゃんのサイキックのおかげで一晩で完治して、翌日から聞き込み調査に加わっています。先程、話した士官の情報もデュオさんが入手したものです。」

「そうですか。じゃあ、この子もすぐにお返しできそうですね。」

「サイキックっていうのはこの世界で言う超能力のことね。」

「はい。この世界の人間全員とは言いませんが、何割かは生まれ持っていますし、この国で武人と名乗る者達の多くはサイキックを持ち、武術と組み合わせた戦法を取ります。」

ポケットから取り出した、『希望島』での改修が終わった待機状態のデスサイズを見ながらアミタがそう言うなか、そう話しかける美琴に対し、早苗はそう答える。

「おまえもその武術とやらを使うのか？」

「いえ。私は運動音痴で武術はからっきしなので代わりに弾幕とスペカを使って戦います。」

「ふぅ～ん……」

「あ。早苗。」

「！妹紅さん……」

そんななか、町中を歩いていた妹紅と偶然、出会（でくわ）す。

「ん？そっちの四人は『外の世界』から来た人かい？」

その直後、妹紅は美琴達四人を見ながら、首を傾げながらそう尋ねる。

「はい。こちらから上条美琴さん、アミタさん、ロード・ディアーチェさん。速谷龍斗さんです。」

「早苗さん。」

「こちらの方は？」

対する早苗がそう紹介するなか、美琴とアミタは首を傾げながらそう尋ねる。

「紹介します。こちらは元武人の藤原妹紅さんです。」

「今は『藤原屋』っていう宿屋を営んでいる。よろしく。」

「宿屋……でしたら、後でお世話になるかもしれませんね。」

「それで妹紅さん。今日もジェイさんを探しているんですか？」

「あぁ、今までチャコを置いて三日もいなくなったことなんてなかったからな。今じゃあ子どもの連続失踪やら灰色の怪物の出現とかあるからな。巻き込まれてなきゃいいんだけど……」

「そうなんですか。」

「それは心配ですね。」

「それじゃあ、私はこれで。」

「はい。妹紅さんも気を付けてくださいね。」

そうして五人は妹紅と別れ、佳奈多達が待つ城へと向かっていった。