武人の国

城、謁見の間・・・

「ーーー以上のことから考えて、行方不明になっている子ども達は今、オルフェノク達に拐われている可能性が高いと思われます。」

その後の会合の場にて、ノゾミやフラン達が『妖怪の国』で起こった『ジャック』による騒動とその解決までの経緯について、詳しく説明した後、佳奈多は今、起きている事件について、わかっていることを障子で姿を隠した将軍(影武者)に伝える。

「そうか……それでその長田結花という少女は今、何処に?」

「彼女は今、私の娘と仲間が保護しています。オルフェノク達にまだ狙われている可能性がありますから。」

「ふむ……」

「私の仲間達も聞き込みに当たってますし、今は情報を集めるのが得策かと……」

「そうだな。こちらでも聞き込みに人員を回すよう、新撰組に手配しよう。」

「ありがとうございます。私達もこの会合の後、聞き込みに回ります。」

「こちらこそ、急な頼みに応じてくれたことに感謝する。」

「「!?」」

そんななか、ノゾミとセッテが城の中庭から転移魔法の反応を感じ取る。

ダダダッ!!

ガラッ!!

「大変です!!上様!!」

「どうした?爺。」

「中庭に突如、黒髪の少女と傷だらけの三つ編みの男、小さな妖精が!!」

『!?』

「!?将軍様!!その子達は私達の仲間かもしれません!!至急、面通しを!!」

「爺!!」

「はっ!!こちらでございます!!」

爺の案内の元、佳奈多達は中庭へと向かう。

すると、そこには見るからに重傷のデュオをサイキックで治そうとする結花、その二人の姿を心配そうに見つめるリィンの姿があった。

「リィン!何があったの!?」

「佳奈多さん!!実はーーー」
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