武人の国

翌日・・・

「うぅ~、頭痛いぃ~」

「完全な二日酔いだな。」

「はやてさん。お、お水です……」

翌日、頭を押さえながらそう言うはやてを見て、デュオが呆れながらそう言うなか、結花はそう言いながらコップ一杯の水を差し出す。

「あぁ、ありがとう。結花ちゃん。」

「皆。ちょっと良いかしら。」

対するはやてがそう言いながら受け取り、飲むなか、佳奈多はそう皆に話しかける。

「どうしたんや?お母さん。」

「実は昨日、将軍様からの使者が尋ねてきてね。その使者の話だとオルフェノクの襲撃は昨日が初めてではないらしいの。」

『!?』

「!?ほんまか!?お母さん!!」

「えぇ。一月ひとつき前から報告が上がっていて、被害も出ているわ。おまけにほぼ同じタイミングで身寄りのない、サイキック持ちの子どもが次々と行方不明になる事件も起きているみたい。」

「サイキック……超能力を持つ子どもの連続失踪事件……」

「十中八九、オルフェノク共と関係しているとみていいだろうな。」

頭を押さえながらそう尋ねるはやてに佳奈多がそう答えるなか、なのはとシャトラは真剣な表情でそう言う。

「結花。あなたもサイキックを持ってるんじゃない?」

「!?」

そんななか、佳奈多は真剣な表情でそう結花に尋ねる。

「どうなの?」

「……はい……」

「結花ちゃん……」

少し暗い表情でそう答える結花に対し、はやてはそう言いながら抱き寄せる。

「嫌かもしれへんけど、見せてくれへん?大丈夫や。何があっても私らが護ったる。」

「……はい……」

結花はそう言いながらはやてから離れ、意識を集中させる。

バサァッ!!

『!?』

「………」

次の瞬間、結花の背中から白い天使のような翼が出現する。

パァァァ・・・

翼を見て、ノゾミ達が驚愕するなか、結花ははやての目線の高さまで飛び上がりながら指先に光を灯らせ、はやての額に当てる。

「!?頭痛が治った!?」

「これが私のサイキック、『完全回復フルヒーリング』。致命傷でも生きているなら治すことができる“力”です。発動時、デフォで何故か翼が出現しますが。」

次の瞬間、二日酔いの頭痛が消えたことに驚愕するはやてやノゾミ達に対し、結花は翼を見ながらそう説明する。

ポスッ!!

「!?」

「あなたの“力”は誰かを救える立派な“力”よ。戦う“力”より、とても立派よ。」

そんななか、佳奈多がそう言いながら結花の頭に手を乗せ、軽く撫でる。

(……温かい……)

そんな佳奈多の手や周りにいるはやてやノゾミ達の笑顔から結花はかつての、クレインオルフェノクだった前世の時の恋人だった啓太郎達と同じ温もりを感じた。

「これで行方不明になっている子ども達はオルフェノクに拐われたとみて良さそうね。私は今からフランやノゾミ達と一緒に将軍様との会合に赴き、このことを伝えるからはやて達五人は町で聞き込みをお願い。」

「「「「「了解!!」」」」」

そんななか、真剣な表情でそう指示する佳奈多に対し、はやて、リィン、なのは、シャトラ、デュオの五人はそう返事をした。
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