武人の国

ガラッ!!

「妹紅サン。今、帰リマシタ。」

そんななか、犬を連れた黒人の男性がそう言いながら入ってくる。

「お。ジェイさん。お帰り。」

「?妹紅さん。この人は?」

「この人はジェイさん。一月ひとつき前からここに泊まっている客であんたらと同じ『外の世界』から愛犬のチャコと一緒に迷い込んだみたいなんだよ」

「ハジメマシテ。ジェイッテイイマス。」

「因みに彼も妖怪や半妖に理解のある者だ。心配しなくて良い。」

首を傾げながらそう尋ねるなのはに対し、妹紅と新之助はそう紹介し、黒人男性、ジェイもそう自己紹介する。

「ア。妹紅サン。チャコノ散歩ノツイデニ畑デ収穫シタ野菜ト川デ釣ッタ魚モ持ッテキマシタ。」

「お。ありがとさん。」

「イエイエ。路頭ニ迷ッテイタ私トチャコヲ無償デココニ住マワセテモラッテイルセメテモノ恩返シデス。」

「?ジェイさんは無償で泊めているんですか?」

ジェイとそう話しながら野菜が入った篭と魚が入った篭を受けとる妹紅に対し、ノゾミは首を傾げながらそう尋ねる。

「あぁ、お金がなかったらしくてな。宿代の代わりに色々と手伝ってもらってるんだよ。」

「可愛いワンちゃんですね。」

「「可愛い!!」」

対する妹紅がそう説明するなか、フランはチャコを見ながらそう言い、シュガーとこいしも目を輝かせながら、そう言いながら見つめる。

「良カッタラ触ワッテミル?」

「「「良いの(んですか)!?」」」

「ウン。チャコガ嫌ガラナイ程度ナラ。」

「「「ありがとう(ございます)!!」」」

そうして三人はチャコと戯れ始める。

「可愛いワンちゃんと戯れる美少女三人……なかなか良い絵になるみょん!!」

「流石は我が妹達ね!!」

「……今度、こいしのために仔犬でも飼おうかしら……」

そんな三人を見ながら妖夢、レミリア、さとりの三人はそう言いながら写真を撮る。

「ねぇ。エリち。うちも混ざりに行ってもええ?」

「良いわよ。」

「やぁーん♪」

そんななか、エリーチカから許可を取ったノンもそう言いながらチャコとの戯れに加わる。

「………」

チャコと戯れるフラン達四人を見ながら、ジェイは静かに微笑んでいた。
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