武人の国

「ふぅ……」

『はやて(ちゃん)(さん)!!リィン(ちゃん)(さん)!!』

スコーピオンオルフェノクを撃破した後、変身とリィンとのユニゾンを解除したはやてにノゾミや佳奈多達はそう言いながら合流する。

「なんだ?あいつら……」

「一人は姿が変わったし、あいつら、物の怪の類いか?」

「だとしたら、討伐すべきじゃない?」

が、周りの民達はひそひそ声でそう話しながら奇異の視線を向ける。

「!?」ビクッ!!

その視線を受け、聖に拾われる迄に受けていた辛い日々を思い出した夜見は思わず震え出す。

「!?夜見ちゃん!?」

「大丈夫ですか!?」

「だ、大丈夫……」ブルブル

「はやて。なのは。シャトラ。デュオ。」

「「「「了解。」」」」

震えながらもノゾミとフランにそう答える夜見やノゾミ達を視線から守るために佳奈多、はやて、なのは、シャトラ、デュオの大人組が前に出る。

「まぁ、待て待て。落ちつけ。皆の衆。」

そんななか、腰に刀を携えた一人の武人がそう言いながら、ノゾミ達と民達の間に入るように現れる。

「彼女達は邪悪な物の怪ではない。特に先程、奇怪な鎧を身に纏っていた女子おなごは避けれた筈の攻撃を避けなかった処か敢えて自ら、受けにいった……おまえ達を護るためにな……」

「「ッ!?」」

先程の戦いの様子を見ていた武人のノゾミ達に対する弁護の言葉にはやてに助けられた二人の町人や民達は静まり返る。

「異国の者達よ。不快な思いをさせてすまなかったな。俺は徳田新之助。この者達に代わって、謝罪と感謝を述べる。」

武人、徳田新之助はそう言いながら頭を下げる。

「いえ、こちらこそ助かりました。私は『時空管理局』の相談役、八神佳奈多と申します。こちらには付き添いと会合のために赴きました。」

そんな新之助に対し、佳奈多は前に出ながらそう自己紹介する。

「『時空管理局』……そうか。おまえ達は『外の世界』から来たのか。」

「その通りです。徳田様。私を含めて二人は違いますが。」

「早苗。久しいな。」

「はい。ご無沙汰してます。」

「?早苗。」

「お知り合いなんですか?」

新之助と親しげに話す早苗に対し、夜見とフランは首を傾げながらそう尋ねる。

「えぇ。私がこの国にいた頃、身体が弱かった私を気遣ってくれてたんです。」

「そうだったのか。私は『妖怪の国』から代表としてきた柳下夜見。」

「フランドール・スカーレットです。将軍様に招待していただき、感謝します。」

「おいおい。俺はただの一介の武人。将軍様ではないぞ。それよりも夜見。先程まで震えていたようだが、大丈夫か?」

頭を下げながらそう自己紹介する夜見とフランに対し、新之助はそう言いながら夜見に尋ねる。

「は、はい……大丈夫……です……」

「ふむ。その様子だとここで落ち着いて話はできそうにないな。良い場所を知っているからそこに移動しよう。」

「お気遣いありがとうございます。」

「佳奈多さん。」

「この子はどうしましょう?」

夜見を気遣う新之助にそう言う佳奈多に対し、ノゾミとセッテは保護した黒髪の少女のことについて、そう尋ねる。

「その子はさっきまでオルフェノクに追われていたし、このまま保護しましょう。」

「あなた、お名前は?」

今はセッテの側にいる少女に対し、なのははそう尋ねる。

「お、長田結花……です……」

対する少女、長田結花はそう自己紹介した。
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