武人の国

『武人の国』、城下町・・・

「さっきのおっさん、手紙の封筒に描かれた家紋を見た途端に顔色を変えてたな。」

「あの様子やとその家紋がこの国の管理者の象徴ってことなんやろうね。」

「早苗さん。この国の管理者ってどんな人なんですか?」

『武人の国』に入った後、デュオとはやてがそう話をするなか、なのはがそう早苗に尋ねる。

因みにフラン達は羽等の妖怪と一目でわかるような特長は事前にリサが施した魔法で隠しているので悪しからず。

「この国では管理者のことを将軍様と言い、とてつもなく強く、民や国のことを常に考えるお方で国の武人達全員の憧れなんですが・・・」

「が、何ですか?」

「実は殆んどの武人達は将軍様のお姿を見たことがないんです。」

「?見たことがない?」

『?』

『殆んどの武人達は将軍の姿を見たことがない』という早苗の言葉にシャトラは首を傾げながらそう言い、ノゾミ達も首を傾げる。

「将軍様は普段からあのお城で政策を行っているんですよ。」

そんなシャトラ達に対し、早苗は遠くにそびえ立つ城を指差しながらそう答える。

ドカァァァンッ!!

『!?』

そんななか、何処からか爆発音が聞こえてくる。

「グオオオォォォーーーッ!!」

「はぁ……はぁ……」

見てみると、スコーピオンオルフェノクが一人の長い黒髪の十三歳くらいの少女を追いかけながら、フレイルを振り回しながら暴れていた。

「!?オルフェノク!?」

「ここにも現れよったか!!」

佳奈多とはやてがそう言うなか、スコーピオンオルフェノクのフレイルの鉄球が少女に襲いかかる。

「!?危ない!!」

ズガァンッ!!

「!?」

が、ノゾミがそう言いながら取り出したサクラで銃弾を放って、鉄球を弾き返す。

「ッ!!」

「!?」

その隙にセッテはアンドロマリウスの念力を使って少女を自分の元へと引き寄せ、保護する。

「大丈夫?」

「は、はい。ありがとうございます。」

「なんだぁ?てめぇら………」

「おい!貴様ら!!そこで何をしている!?」

そう尋ねるセッテに少女がそう答え、スコーピオンオルフェノクがそう言いながらノゾミ達を睨み付けるなか、新撰組のような格好をした武人達が刀を手に駆け寄ってくる。

「!?ダメです!!生身でその怪人に向かっては」

「グオオオォォォーーーッ!!」

ドカアアアァァァンッ!!

『うわあああぁぁぁーーーっ!?』

フランがそう忠告するのも束の間、スコーピオンオルフェノクはフレイルを振り回して向かってきた武人達を返り討ちにする。

「はやてとリィンはあのオルフェノクの対処!!セッテはその子の護衛!!他は民間人に被害が出ないように護りを固めて、避難誘導を!!」

『了解!!』

「いくでぇ!!リィン!!」

「はいです!!」

「「ユニゾンイン!!」」

パキィィィンッ!!

そう言う佳奈多からの指示にノゾミ達がそう返事をするなか、はやてはリィンとユニゾンしながらスコーピオンオルフェノクと対峙する。

「なんだぁ?女。おまえが俺の相手をするってか?」

「まぁな。あんたら、オルフェノクの対処が今のうちらの専門やからな。」ガチャンッ!!

明らかに見下しながらそう言うスコーピオンオルフェノクに対し、はやてはそう言いながら佳奈多から受け継いだファイズドライバーを装着し、ファイズフォンを取り出す。

「!?そのベルトは!?」

555 ENTER

『STANDING BY』

「変身!!」

『COMPLETE』

パキィィィンッ!!

ファイズドライバーを見て、スコーピオンオルフェノクが動揺するなか、はやてはファイズに変身する。

「!?姿が変わった!?」

「貴様はファイズ……八神はやてか!!」

「いくでぇ!!」

ファイズに変身したはやてを見て、野次馬の武人がそう困惑の声を上げるなか、そう言いながら身構えるスコーピオンオルフェノクに対し、はやてはそう言いながら向かっていった。
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