呪われし鎧とライダーになろうとする少女

「では、私とアギトから。私達はカオスファクターのメンバーである召喚士のダークエルフ、ハイディーンとルドカー・ジュラストという少年と遭遇し、ルドカーが変身したカタストロフドーパントと戦いました。」

「カタストロフ……天災のガイアメモリか………」

「そのメモリの“力”だけでなく奴自身、相当な腕の立つ魔導士だと思われます。剣の腕も申し分ありませんでした。」

「かなり厄介な相手だった。少しでも気を抜いたら、こっちがやられる……」

「情けない話ですが、私とアギトの“力”では打倒するのは困難な相手です。」

「対策が必要だな。」

「私とシャっちゃんが戦ったルナティックも厄介な相手だよ。」

「思ってた以上に干渉力が強い。姉さんと二人係りでなかったら今頃、狂気に呑み込まれ、負けてたかもしれない。」

「私が戦ったホワイトファングのフロンタルも装備しているシナンデュエピオンの機動性と格闘技術は脅威的なものを感じた……翼とクロスユニゾンしていなかったら多分、負けていたと思う……」

「なるほど……リサさん。お母さんの様子は?」

「少し不安定な状態だね。精神が退行化して、部屋で物をあちこちに投げる暴れよう……トラウマである過去の記憶が脳裏から恐怖に怯えているといったところね。」

シグナムやカオリ達からの報告を聞いた後、そう尋ねるはやては対し、リサは真剣な表情でそう説明する。

「過去の記憶って……」

「もしかして、『消えた戦争』の時の?」

「えぇ。それも当時、お父さん達が戦った組織に再調整された時のね。」

佳奈多がトラウマを抱える程の過去の記憶について、真剣な表情でそう言うなのはとフェイトに対し、リサも真剣な表情でそう言う。

「……佳奈多がああなったのは黒い一角獣のゼクターが現れた時だったわ……」

「!?黒い一角獣って……」

「まさか、バンシィ!?」

「リサ。アレはあなたが造ったの?」

バンシィゼクターについて、なのはとフェイトがそう言うなか、身体に包帯を巻いたメルトリリスは睨み付けながらそう尋ねる。

その眼には『答え次第では例え、主の親友の娘でも斬る』という意志を込めて。

「……バンシィゼクターは私が造った訳じゃないよ。希望島で保管されていたバンシィの残骸がいつの間にかゼクターに変化していたの。」

「それってつまり……」

「バンシィが自分の意思でゼクターに生まれ変わったってこと?」

「そういうことになるね。私がやったことはバンシィゼクターに適合したライダーベルトを造っただけ。だけど、バンシィゼクターとライダーベルトを扱えるのは佳奈多さんだけだと私もお父さん達も思ってる………」

「………」

(とはいえ、佳奈多さんにトラウマを克服してもらわなきゃ使えるものも使えない……一先ずはメンタルの方をどうにかしないと……)

「会議中、失礼します。ノゾミさんとセッテにお客様が……」

リサがそう思案するなか、アルトがそう言いながら会議室に入ってくる。

「?私に?」

「誰だろう?」

「ど、どうも。ノゾミさん。セッテさん。」

「久しぶり。」

「!?フランちゃん!?」

「夜見も!?なんでここに!?」

ノゾミとセッテが首を傾げるなか、フランと夜見がそう言いながら入ってくる。

「実はーーー」





「『武人の国』からの招待状?」

「はい。そうなんです。」

「『武人の国』の管理者から『妖怪の国』に招待状が届いてな。」

「招待されているのは夜見さんと私達、そして、ノゾミさん達なんです。なんでも先の『ジャック』による騒動について、詳しい話を聞きたいとか……」

「無論、行けるメンバーだけで行くと聖が烏天狗を通じて返事をしているんだが、どうする?」

『武人の国』の管理者から届いている招待状について、フランと夜見はそうノゾミとセッテに確認する。

「ねぇ。フランちゃん。夜見ちゃん。その招待って『ジャック』による騒動の関係者じゃなくても大丈夫?」

そんななか、リサがそう尋ねる。

「招待状には友人の同行も可って書いてあるから大丈夫だと思うぞ。」

「?リサさん。その子達とは知り合いなんですか?」

「うん。前にノゾミちゃんの紹介でうちの店に来たことがあるの。」

「私とカオリとシャトラも店にいる時に話をしたことがあるよ。」

「私もリサさんの所で謹慎していた時に知り合ったよ。」

首を傾げながらそう尋ねるはやてに対し、リサ、フェイト、なのはの三人はそう説明する。

「因みにフランちゃんは吸血鬼の妖怪、夜見ちゃんはろくろ首の半妖だよ。」

『妖怪!?』

「後、フランちゃんの実年齢、495歳。」

『495歳!?』

リサのフランと夜見に関する説明について、二人のことをよく知らない『機動六課』の面々はそう驚きの声を上げる。

「はやてちゃん。佳奈多さんのメンタルケアについて、一つ、提案があるんだけど……」

「?はい……」

そんななか、リサはそう言いながらはやてにある提案をした。
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