呪われし鎧とライダーになろうとする少女

『機動六課』、隊舎・・・

「さて、カノンさんも無事に救出できたし。スパンダ統括官がホワイトファングと組んで進めていた『ProjectG4』も止めることができた訳やけど……チンク三等陸尉。」

「はい。研究施設へのカオスファクターの襲撃から逃げ延び、八神部隊長らに逮捕されたスパンダの部下であった研究員達は先程、軌道拘置所行きが決定したそうです。レジェンドG4の装着者だったヒューイ・ミヅキ一等空尉につきましては首謀者であるスパンダ・オルガス統括官が死亡しているため、集中治療室で治療を受けた後に最重要参考人として聴取はされるそうです。処分はその聴取を終えた後に決定すると……」

研究施設から無事に帰投してからの報告会にて、チンクは真剣な表情でそう報告する。

「そうか……研究施設から何かわかったことは?」

「それについては私から。ヒューイ一等空尉はスパンダに脅迫されていたことがわかりました。」

「脅迫されていた?」

「ネタはもしかして、ティアナのお兄さんのこと?」

はやてにそう報告するドゥーエに対し、なのはとフェイトは首を傾げながらそう尋ねる。

「はい。以前から佳奈多相談役を自分のものにしようと色々と調べるなかでスパンダはティーダ一等空尉の死の真相を知り、それをネタにヒューイ一等空尉を脅迫し、自分の部下に引き込みました。ティアナさんや佳奈多相談役のことを考えたヒューイ一等空尉はスパンダの命令に従わざるを得なかった状況だったんです。」

ドゥーエはそう言いながら、デスペラードがメインコンピュータールームを爆破する前にコピーしておいた、スパンダがヒューイを脅迫していたことを示す記録のデータを提示する。

「なるほどな。これならヒューイ一等空尉に関しては降格はあるやろうけど、情状酌量の余地はありそうやね。」

「でも、はやてちゃん。ティーダ一等空尉のことを公にしたら……」

「佳奈多さんにも責任が追求されるんじゃ……」

「それはお母さんも覚悟しとることや。せやからこそ、研究施設に乗り込む前にティーダ一等空尉のことを話してくれたんやと思うとる。それに当時はまだ幼かったティアナのことを思ってしたことやと考慮すれば和らげるやろうしな……氷川沙夜の今後についてやけどリサさん。どう思います?」

「とりあえずはメディカルチェック。その後は希望島で精密検査かな。」

「あの。その希望島での精密検査には私も一緒に行っても良いですか?」

真剣な表情でそう言うリサに対し、たえはおずおずとそう尋ねる。

因みに沙夜は再調整から解放されたあの後、ヒナタやリヒテル達の援護もあり、無事にアロザウラー軍団を殲滅した直後に気を失い、今は医務室で眠っている。

「勿論。むしろたえちゃんも一緒にいた方が沙夜ちゃんのメンタルケアになるだろうしね。」

「ありがとうございます!!」

「そういえば、フェイトちゃん。施設での戦いの時に見せたあの姿は一体何なの?」

そんななか、なのはがクロスユニゾンしたフェイトの姿について、そう尋ねる。

「え~と、私のNSと以前、お姉ちゃんから託された天羽々斬が共鳴して別世界の自分、風鳴翼と一心同体化した結果……といえばいいかな……」

「この現象は『クロスユニゾン』って言ってNSによる進化の一種だよ。」

「クロスユニゾン……」

「因みにフェイト。あなたには同じクロスユニゾンを会得している明日奈さんに色々と教わってきなさい。」

「え?」

「ついでにお母さん達にも顔を見せなさい。あなたが一番少ないんだから。」

「」

(あ。フェイトさんの顔が死んだ。)

(死んだね。)

「それじゃあ、カオスファクターやホワイトファングと交戦したカオリちゃんやシグナム達から報告してもらってもええか?」

リサの言葉に顔が死んでいくフェイトを見て、ノゾミとセッテが密かにそう思うなか、はやてはそう言った。
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