呪われし鎧とライダーになろうとする少女

時を遡ってフェイトVSフロンタル・・・

ドカァァァンッ!!

「くっ……強い……!!」

時を遡り、ティアナとヒューイがぶつかり合っていた頃、フェイトはフロンタルの機動性に苦戦していた。

パワーではバルディッシュのアーマード、シールドストライクの方が上回っているが、機動性ではフロンタルのシナンデュエピオンに分があった。

「くっ!!」

ズガァァァンッ!!

フェイトはランチャーパックを装備して砲撃を放つ。

が、フロンタルは余裕を持ってその砲撃をかわす。

「当たらなければ、どうということはない!!」

「くっ……!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

フェイトは肩部のバルカンとミサイルも放つ。

が、フロンタルはそれらもかわし、或いは迎撃して撃ち落としていく。

「ッ!!」

ズガァァァンッ!!

フェイトは再びアグニを放つ。

ドッカァァァンッ!!

が、またしても避けられ、アグニは切り離されたタンクに命中し、爆発する。

「くっ……」

その爆発の光にフェイトの目が眩む。

ドカァァァンッ!!

「がはっ!?」

「………」

その隙に接近してきたフロンタルはフェイトの腹部に蹴りを叩き込む。

ドカァァァンッ!!

「がはっ!?」

蹴り飛ばされたフェイトはそのまま勢いよく壁に激突し、意識が遠退きそうになる。

「くっ……ッ!?」

「………」

それでもなんとか意識を繋ぎ止め、正面を見据えると、フロンタルがビームソードを手に突撃してくる。

「くっ!!」

ガキィィィンッ!!

フェイトはなんとか両腕のクローで受け止める。

が、フロンタルのビームソードの方が出力を上回っているのか、徐々に食い込んでくる。

「このままじゃ……!!」

「引導を渡させてもらう!!」

「そんなこと……私には、護るべきものがあるんだ……!!」

キィィィィィィィィィンッ!!

フェイトの想いに呼応するようにリサから託された赤い結晶のペンダントが光を放ち始める。

それはフェイトのNSとも共鳴をし始め、魂の繋がりを呼び寄せる。

「!」

「!?」

カアアアァァァーーーッ!!

それをフェイトが受け入れた瞬間、光がフェイトの身体を包み込み、フロンタルを弾き飛ばす。

「なに……!?」

「………」

光が晴れるとそこには先程とは全く異なる服を身に纏い、紅と紫のオッドアイとなったフェイトが立っていた。

シャッ!!

刀となったバルディッシュを頭上に掲げ、叫ぶ。

「聞くがいい!防人の唄を!!」
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