呪われし鎧とライダーになろうとする少女

「ヒューイさん……」

「ティアナ……やはり、おまえもG4を止めにきたか……」

「!?」

(よかった……まだヒューイさんの意識がある……)

「ヒューイさん。その装備は非常に危険です。今すぐ破棄し、この場から離脱を」

「知っているさ。危険を承知の上で俺は自ら、志願してG4になった……」

「!?」

自分の言葉を遮りながらそう言うヒューイの言葉にティアナは驚愕の表情を浮かべる。

「……兄さんのことが関係しているんですか……」

「その様子だとやはり佳奈多相談役から真実を聞いたか。」

「はい……」

「……俺はあいつを……ティーダを護ることも助けることもできなかった……僅かにも生への執着があったからだ……」

ヒューイはそう言いながらティーダが身を呈して自分を庇い、命を落とした時のことを思い起こす。

「自分を犠牲にして俺を庇い、命を落としたあいつの墓の前で俺は悟った……生への執着がある限り、人間ヒトはその限界を超えることはできない。正義を貫くことはできないと!!」

思い起こした後、ヒューイは両拳を握りしめながらそう言う。

「……ダメ……」

「なに?」

「その正義は……悲しみの歴史を繰り返すだけです!!そんなの、兄さんは望んでない!!!」

「………」

「お願いします。ヒューイさん。G4を棄ててください。そして、生きる道を」

「ティーダが死んだあの時、俺の魂も死んだ!!このG4を完成させるために多くの仲間が犠牲になった!!!」

「!?」

「もう俺に後戻りは許されない……」

「ヒューイさん!!」

「どうする?今の俺は死を背負い、おまえは生を背負っている……どちらが正しいか、今、この場で……答えを出すか!!」

「ッ!!」

ドカァァァンッ!!

次の瞬間、ヒューイの拳とティアナの拳がぶつかり合った。
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