呪われし鎧とライダーになろうとする少女

「とりあえず、たえちゃんの配置はカオリちゃんとこのウイング分隊な。」

「よろしくねぇ~♪」

「よろしくお願いします!!」

「で、たえを仲間にすんのは良いけど、肝心の氷川紗夜はどうやって正気に戻すんだ?ただ言葉で説得するだけで解ける程、再調整は甘くねぇぞ。」

「佳奈多相談役の時のように殴り合うにもたえは見た感じ、戦闘タイプではないからな。」

「うっ……」

紗夜を正気に戻す方法について、そう言うデュオとヒナタの言葉にたえは思わず詰まる。

「う~ん……たえちゃん。とりあえず、ステータスを見せてもらっても良いかな?」

「あ。はい。」

そんななか、カオリにそう言われたたえはそう言いながら自分のステータスを提示する。

花園たえ

魔力値:B+

属性:歌、音、雷

「あ。私と同じ歌属性持ちなんだ。」

「はい。魔法は基本、この子、ポピパを弾いて発動しますが、歌と音はハミングや鼻唄でも発動できます。ポピパ。ご挨拶。」

『ポピパと申します。マスター共々、よろしくお願いします。』

自分のステータスを見ながらそう言うカオリに対し、たえはそう言いながら先程から背中に背負った青いエレキギター、自身のインテリジェントデバイス、ポピパに挨拶させる。

「となると、たえの配置はキャロと同じフルバックになるな。」

((っていうかそのエレキギター、デバイスだったんだ……))

「音楽か……お姉ちゃん……」

「うん。紗夜ちゃんに対しては『アレ』が良い方法だろうね。」

たえの配置について、シャトラがそう言い、ノゾミとセッテがポピパを見ながら密かにそう思うなか、カオリとリサは真剣な表情でそう話す。

「?」

その二人の様子にたえが首を傾げるなか、

ピピッ!!ピピッ!!

フェイトの、情報漏れを防ぐための希望島との秘匿回線の通信端末が鳴り出す。

「すいません。私です……(ピッ!!)もしもし。義母さん……わかった。ありがとう……(ピッ!!)佳奈多相談役………」

「その様子だと、『あの子』はやってくれたのね。」

「はい。カノン義姉さんが囚われてるだろう、スパンダ統括官が秘密裏に所持している研究施設の場所が割れました。」

「それじゃあ一時間後、前線メンバーを揃え、スパンダ統括官の研究施設に乗り込みます!!」

「スバル、エリオ、キャロの三名は会議に入る前にノゾミ達から渡されたものを一時間で慣れておくように!!以上!!」

そうして会議は終了する。

「ティアナ。」

「佳奈多さん。」

「……ティーダのこと、黙っててごめんなさい。ヒューイのことだって……」

その後、佳奈多は改めてそうティアナに謝罪する。

「……謝らないで下さい。兄さんのことは私のことを想ってしたことなのはわかりますし。ヒューイさんのことだって止められなかった、妹分である私にも非はあります……」

「……わかったわ。必ず彼を止めましょう。私達の手で。」

「はい!そのためにも、より強くなりたいんです!!ご教授、よろしくお願いします!!」

「えぇ。時間も少ないからスパルタでいくわよ!!」

「望むところです!!」

そうして二人は会議室から出て、訓練場へと向かった。
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