呪われし鎧とライダーになろうとする少女

数時間後、『ミッドチルダ』、郊外・・・

「はぁ……はぁ……」

「くっ……こいつは想定外だ……」

「フフフ……『時空管理局』の魔導士も大したことないな……実に弱い……」

数時間後、『ミッドチルダ』の郊外にて、ヒューイは自身の片手剣型のデバイスを構えながら肩で息をし、ティーダは銃型のデバイスを構えながら、苦い表情をしながらそう言うなか、二人が追っていた女の次元犯罪者の正体であるロブスターオルフェノクは見下しながらそう言う。

「くっ!!」

ズガァンッ!!ズガァンッ!!ズガァンッ!!ズガァンッ!!ズガァンッ!!

ティーダは数弾の“魔力弾”を放ち、命中させる。

が、ロブスターオルフェノクにはこれといったダメージがない。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

ヒューイは魔力を流し、切れ味を上げたデバイスで斬りかかる。

「ふん……」

ガキィィィンッ!!

対するロブスターオルフェノクはサーベルでヒューイのデバイスを受け止める。

ガキキキキキキキキキキキキキキキィンッ!!

その後、ヒューイとロブスターオルフェノクは十数回と斬り結ぶ。

「フッ!!」

ドカッ!!

「ぐっ!?」

が、一瞬の隙を突いたロブスターオルフェノクは左手の鋏でヒューイの腹を殴り、

「はぁっ!!」

ドカァァァンっ!!

「ぐはっ!?」

ドカァァァンッ!!

「どわっ!?」

「くっ!?」

蹴り飛ばし、ティーダにぶつけて吹き飛ばす。

「そろそろ飽きた。二人纏めて死ぬがいい。」

ビィィィーーーッ!!

ロブスターオルフェノクはそう言いながら左手の鋏からビームを放ってくる。

「くっ!!」

「!?ティーダ!?」

ズガァァァンッ!!

が、その瞬間、ティーダが咄嗟にヒューイを庇い、自ら盾になり、ロブスターオルフェノクのビームを受け止める。

「くっ……」フラッ

「ティーダ!!」ガシッ!!

ロブスターオルフェノクのビームを食らい、倒れ込むティーダをヒューイはすぐさま受け止め、抱き抱える。

ブオオオオッ!!キィッ!!

「ティーダ!!ヒューイ!!」

「佳奈多相談役!!」

「下がって!ここからは私がやる!!」

そんななか、ロブスターオルフェノクの情報を聞き、すぐさまオートバジンに乗って駆けつけてきた佳奈多がそう言いながらロブスターオルフェノクと対峙する。

「二木佳奈多……ファイズか……」

「まさか、ティーダとヒューイが追っていた次元犯罪者がオルフェノクだったとはね。」

555 ENTER

『STANDING BY』

「変身!!」

『COMPLETE』

パキィィィンッ!!

佳奈多はそう言いながら予め装着してきたファイズドライバーとファイズフォンでファイズに変身する。

「よくも、私の教え子を……!!」

「教え子?……なるほど。そういうことか……なら、残念だったな。ファイズ。一人は今、さっき、地獄に送ってやった。」

「ッ!!」

嗤いながらそう言うロブスターオルフェノクに対し、佳奈多はファイズエッジで斬りかかる。

「フッ!!」

ガキィィィンッ!!

対するロブスターオルフェノクはサーベルで佳奈多のファイズエッジを受け止める。

「ハッ!!」

ビィィィーーーッ!!

受け止めた直後、ロブスターオルフェノクは左手の鋏からビームを放ってくる。

「ッ!!」

対する佳奈多はジャンプしてかわしながら、ロブスターオルフェノクの背後を取る。

「ちっ!!」

ロブスターオルフェノクは舌打ちしながら振り向き様にサーベルで斬りかかる。

ガキィィィンッ!!

が、佳奈多はファイズエッジでサーベルを受け止め、

「ハッ!!」

ドカァァァンッ!!

「ぐっ!?」

左足でがら空きになっていたロブスターオルフェノクの腹を思いきり蹴り飛ばす。

「あれが佳奈多相談役が変身する仮面ライダー……」

「ぐっ……」

「ティーダ!!」

「へへ……やっちまったな……ヒューイ。大丈夫か?」

先程まで自分達二人を圧倒していたロブスターオルフェノクを逆に圧倒し始める佳奈多を見ながらヒューイがそう言うなか、腕のなかにいるティーダは苦しそうにしながらもそう言う。

「ッ!!馬鹿野郎!!俺の心配より自分の心配だろうが!!なんで庇った!?」

「そりゃあ、おまえ……漸く夢が叶う親友を死なせる訳にはいかねぇからな……俺は執務官試験に落ちちまってるし……」

サァァァ

そう言うティーダの身体は徐々に灰になっていく。

「この大馬鹿野郎!!佳奈多相談役の言葉を忘れたのか!?」

「あぁ……諦めずに何度でも挑戦しろって言ってたな……」

「なのに、おまえは……!!ティアナのことだって、あいつを一人にする気か!?」

「あぁ……俺は大馬鹿で駄目な兄ちゃんだな……ヒューイ……」

「なんだ!?」

「ティアナの……こと……」

サァァァ

その言葉を最後にティーダは完全に灰化する。

「ッ!!ティーダアアアァァァーーーッ!!!」

残されたヒューイはティーダの灰を握りしめながら、涙を流しながらそう叫んだ。
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