呪われし鎧とライダーになろうとする少女

「ちっ!!逃げたか……」

「とにかく今はこいつらを……!!」

紗夜が撤退したことにクロトがそう言い、レフトがそう言うなか、残された約五十体のアロザウラーはクロト達を殲滅しようと向かってくる。

「クロト義兄さん!!カトルさん!!」

「「フェイト(さん)!!」」

そんななか、気絶したきなことシャッハを安全な場所まで運び終えたフェイトがそう言いながら駆けつける。

「ッ!!あれは確か、量産型のZ装備……アロザウラー……!!」

「のMDタイプで中身は入っていません。それでも、量産型なだけあって、数が多いのが厄介ですが……」

駆けつけた後、アロザウラーを見ながらそう言うフェイトに対し、カトルはすぐさまそう説明する。

「なるほど……確かにこれは骨が折れそうですね。」

対するフェイトはそう言いながらクナイモードのツヴァイを構え直す。

「バルディッシュ。アーマードシステムを起動してください。」

『Yes.』

「え?」

パァァァ・・・

カトルとバルディッシュの言葉にフェイトが思わずそう呆けた声を上げるなか、フェイトが青い光に包まれる。

パキィィィンッ!!

次の瞬間、フェイトが両腕・両足に鋭い爪が付いた青いストライク・・・リサとリサの父、佑人が共同研究し、バルディッシュに密かに付け加えたアーマードシステムであるGZ装備、『シールドストライク』に包み込まれる。

「ふむ。実戦投入は初めてでしたが、起動は上手くいきましたね。」

「えええぇぇぇーーーっ!!?」

カトルがそう言うなか、バルディッシュのアーマードについては知らされていなかったフェイトはそう困惑の声を上げる。

(落ち着きなさい。フェイト。)

「お、お姉ちゃん!?」

そんななか、今はカノンとクロトの双子の赤ん坊の護衛に回っているリサからの“念話”が入ってくる。

(私は今、赤ん坊を護らないといけないから指示だけ出すからよく聞いて!フェイト、クロト、カトルはアロザウラーの撃破、レフトさんとマグアナック隊は病院に仕掛けられた爆弾の処理を!!)

「「「了解!!」」」

「っていうか爆弾まで仕掛けられてたのかよ!?」

「ちっ……面倒なことをしてくれる……!!」

「え?え?」

(フェイトには今からそのバルディッシュのアーマード、『シールドストライク』での戦い方を頭の中に流すから、それで覚えて!!)

「は、はい!!」

「いきます!!」

カトルはそう言いながら円弧のように湾曲した巨大な曲刀を取り出し、構える。

カァァァ……

すると次の瞬間、刀身が赤色化する程の高熱を発する。

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

そんなカトルに対し、二十体のアロザウラー達は一斉にビーム弾を放ってくる。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

ズババババババババババババババババババババァンッ!!

が、カトルはサンドロックの堅い装甲でビーム弾をものともせずに突っ込み、高熱を発する曲刀、『ヒートショーテル』でアロザウラーを斬り捨てていく。

「私達もいくよ。バルディッシュ。」

『Yes. Sir』

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

そんななか、リサにバルディッシュのアーマード、『シールドストライク』での戦い方を頭の中に流してもらうことで学習したフェイトはバルディッシュとそう言いながら、十体のアロザウラー達に向かっていく。

ズドドドドドドドドドドッ!!

対するアロザウラー達はすぐさま背部の二連ビーム砲からビーム弾を放ってくる。

パァァァ・・・ズガガガガガガガガガガァンッ!!

が、フェイトはすぐさまシールドを展開し、アロザウラー達のビーム弾を防ぎながら突き進む。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」

ズババババババババババァンッ!!

次の瞬間、フェイトは獣のような動きで両腕・両足の爪で十体のアロザウラーを斬り倒す。

「残りは十体……折角だ。俺流に少しだけアレンジを加えた“血氷華”を見せてやる……」

クロトはそう言いながら氷炎を構え、魔力を流し込む。

「……はぁっ!!」

ズババババババババババァンッ!!

次の瞬間、クロトは氷炎を振り、魔力で貫通性を持たせた斬撃を幾つも放ち、残り十体のアロザウラーを細切れにする。

「フッ!!」

ズオオオォォォッ!!

続けて、クロトはもう一度氷炎を振り、今度はリサの“雪崩桜”のような氷雪を放つ。

パキキキ・・・ッ!!

放たれた氷雪は細切れにされたアロザウラー達の残骸を瞬く間に凍りつかせていく・・・

ドカァァァンッ!!

次の瞬間、凍りついた残骸は跡形もなく粉砕された。

「“血氷華・空”……実戦で披露するのは今回が初めてだが、まぁ、上々な出来だな……」

クロトがそう言うなか、レフトやマグアナック隊も病院に仕掛けられていた爆弾を無事に処理し、病院での戦いは終わりを告げた。

研究施設、施設長室・・・

「スパンダ統括官。ご指示通りにカノン・立華を無事に『保護』しました。」

病院からカノンを『保護』することに成功し、研究施設に帰還したヒューイはそうスパンダに報告する。

「ご苦労。流石だな。ヒューイ……」

「………」

「どうした?何か言いたそうだな。ヒューイ。」

「スパンダ統括官……あのG装備の群れと病院に仕掛けられていた爆弾はどういうつもりですか!?(バンッ!!)何故、あんな……」

「テロリストのような真似……と言いたいのか?」

「ッ……」

「……ヒューイ……平和のためには犠牲は付き物だ……」

「しかし!」

「現におまえの親友にして相棒だったティーダもそうやって平和のために犠牲になったじゃないか。」

「!?」

そう言うスパンダの言葉にヒューイはかつてのティーダとの日々を思い起こした。
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