初デートと家出少年

「なんなんだ?今の言葉は……ん?」

悠月が去り際に首を傾げるなか、マコトは店に置いてあったある物が目に入る。

「……白銀。ちょっとこれが欲しいんだけど……」

「ん?」

マコトはそう言いながらそのある物を購入する。

因みにその間、みゆきは顔を真っ赤にしながら俯いたままでマコトの行動には気付けなかった。

「ねぇ。ひかる。『魔女の家』のエレンちゃんとヴィオラちゃんってあんなキャラだったっけ?」

「多分、朱音ちゃん達の世界のディードみたいな感じで世界が違えば、キャラも変わるんだよ。きっと……」

「本家の『魔女の家』じゃバッドエンドを迎えてたしな。それにしても……」

そんなマコト達三人の様子を見ながら、春美とひかるがそう話をするなか、和也はそう言いながら先程、悠月から感じた視線について、考える。

(さっきの視線……ありゃあ見えていやがったな……侮れないな……)

「///」

「みゆき?おーい。大丈夫かぁー?」

蜂蜜屋から出た後、未だに顔を真っ赤にしているみゆきに対し、マコトは顔を覗きこみながらそう言う。

「ひゃいっ!?だ、大丈夫です!!」

「そ、そうか。さて、次は何処行くか……」

「あ……」

そんななか、とある洋服屋がみゆきの目に入る。

「ん?洋服屋か。気になるなら入ってみるか?みゆき。」

「良いんですか?」

「あぁ。」

そうして二人は洋服屋に入る。

「お。今度は洋服屋に入っていったな。」

「まぁ、定番だよね。」

「じゃあ、俺達も姿を変えて入るか。」

その様子を見ていたあかね達も和也の魔法で姿を変えて洋服屋に入っていく。

洋服屋内・・・

「ど、どうですか?マコトさん。」

マコトと一緒に洋服屋に入った後、水色のシャツに白い袖無しの上着、黄緑のスカートを試着してみたみゆきは少し恥ずかしそうにしながらもそう言う。

「う~ん……俺はあんまりファッションとかわかんねぇけど……」

「?あ……」

対するマコトはそう言いながらみゆきがいつも着けているリボンを然り気無く外し、髪を下ろさせる。

「おぉっ!!やっぱり、この格好なら髪を下ろした方が良いぞ!!」

「そ、そうですか?」

「あぁっ!!」

「……えへへ……ありがとうございます……」

嘘偽りのない笑顔でそう言うマコトに対し、みゆきは顔を赤らめながらも笑顔でそう言う。

「ぐっ……普段、せぇへん色使いの格好に下ろした髪の組み合わせ……!!」

「まだ14歳でここまでの魅力になるとは……!!」

「みゆきちゃん……恐ろしい子や!!」

「あかねと二人のはやてさんは何を言ってるクル?」

「まぁ、普段のみゆきさんはピンク系統の格好が多いですし。髪もあまり下ろしたこと、なかったですものね。」

そんなみゆきの姿を見て、胸を押さえながらそう言うあかね、はやて、はやて(カイザ)の三人にキャンディが首を傾げながらそう言うなか、れいかは笑顔でそう言う。

「ほんと、二人とも、青春してるねぇ~」

「微笑ましいねぇ~」

春美とひかるの二人はそう言いながら、待機状態にしているハートキーパーとラグネルをマコトとみゆきの方に向けている。

「って春美さんとひかるさんは何してるんですか?」

「やよいちゃんの取材の手伝い兼後で『機動六課』(カイザ)の女性陣と一緒に楽しむための写真撮影とビデオ撮影。」

「春美が写真を、私がビデオを担当しているわ。」

「やめてあげてください。」

「「だが、断る。」」

「………」カキカキ

「やよい……まだ描いてたんだ……」

割と真面目な表情でそう言う一輝に春美とひかるの二人が真顔でそう言うなか、未だにスケッチブックで描いていたやよいを見て、なおは苦笑いしながらそう言う。

「今のところ、順調だな。和也。」

「そうだな。貴利矢。」

その後、マコトの分の服も買い、二人は買った服に着替えて店を出た。

尚、和也達尾行兼見守り組の女性陣も服を買い、店を出て、尾行を再開した。
4/8ページ
スキ