話し合いと新しい“力”

「さてと、とりあえず『Xマジンラー』が生み出した一翔のクローン、喰月彩翔の対策についてだが、一翔。」

「なんですか?和也さん。」

「……おまえ、その彩翔との戦いの時、まだ全力を出してはいないな?おまえが持っている三本目の剣、『メテオ』はどうした?」

そんななか、和也さんが真剣な表情でそう尋ねてくる。

やっぱり気付かれてたか・・・

「……メテオは普段は僕の精神世界に仕舞ってあって、彩翔との初戦で抜かなかったのは『Xマジンラー』に情報が渡るのを防ぐためです。」

「つまり、『Xマジンラー』との最終決戦までは隠しておこうと考えたのか。」

「はい。」

しかし、相手は僕を倒すことに特化して造られた僕のクローン・・・次も今回のようにいくとは限らない・・・

「………」

(流石に次は抜かないとマズい……か………)

「……そろそろ、裁王に隠された“力”を解放する時か……」スッ

僕がそう考えるなか、リヒテルさんがそう言いながら青いケータロスを取り出す。

「ってリヒテルさん。それって……」

「見ての通り、裁王用のケータロスだ。これを使えば、裁王の新たなフォーム、クライマックス、ジャッジメント、サリエルに変身できる……」

ケータロスを見ながらそう言う僕に対し、リヒテルさんはそう言いながら渡してくれる。

「……ありがとうございます……」

「ところでさぁ……実は昨日から気になってたんだけど……スカリエッティ。」

「なにかな?」

「ドゥーエはどうしたの?一緒じゃないの?」

「あ。確かに……クアットロは更正組に入ってるのは佳奈多さんやリサちゃん達から聞いてるけど、ドゥーエはどうしたの?」

僕がそうお礼を言いながらケータロスを受け取るなか、春美さんとひかるさんが首を傾げながらそう尋ねる。

「あ。ドゥーエは今、うちの実家が管理している希望島で取り調べを受けながら島の管理の手伝いをしてますよ。」

『え?』

が、その直後、そう答えたリサの言葉にリサや『機動六課』(リンクス)、『レリック事件』についてあまり知らない人達以外の全員が思わずそう言いながらリサの方を見る。

ってえ?

「希望島って確か、リサ達の方の地球にある、おまえら、『メイキングシスターズ』の活動場所でもある島だよな?」

「なんでそこにドゥーエが?」

「うちが考案した更正プログラムとしてドゥーエに提案したんですよ。」

「最初は拒否されましたけどノーヴェ達、更正組が押しに押してくれて結果、受け入れてくれました。」

首を傾げながらそう尋ねる和也さんと一輝さんに対し、フェイトとなのはがそう説明する。

「ちょい待ちwwwオレと夢羽、にとりは夢羽の黒天牙狼を造るために何回か、希望島に通ったけどwww」

「一回も会ったことない………よ?」

そんなフェイトとなのはに対し、彩夏と夢羽が首を傾げながらそう言う。

「まぁ、その時期はドゥーエ、Z装備の開発の手伝いをしてたからね。私やお父さんが説明しておくのを忘れてたっていうのもあるけど。」

「スカリエッティやセッテ達には後で会わせてあげるね。通信越しにだけど。」

「さて、話がなんか脱線しちまったが一輝。」

「あぁ………」

ヴゥンッ!!

そんな二人に対し、リサがそう答え、フェイトがそう言うなか、和也さんがそう一輝さんに言い、一輝さんはそう言いながら空間モニターを展開する。

その空間モニターにはノゾミの心の闇から生まれた少女、ネスが変身するディスペアーや彼女が所属する第五の勢力、カオスファクターの幹部であるデスペラードやルナティックこと古明地こいし、戦闘員ポジションであろうニア・アダムスの姿が映しだされている。

「カオスファクター……ここにきて『Xマジンラー』、ショッカー、ホワイトファングとは別の第五勢力が出てくるなんて……」

「しかも、一人はノゾミの心の闇から生まれた、もう一人のノゾミ……」

「私達が戦った古明地こいし……ルナティックも厄介な相手だよ。」

「悔しいけど、『無意識を操る』程度の能力で翻弄されて手も足も出なかったよ。」

「しかもあの女、まだ全力を出してはいなかった……」

「私が戦ったデスペラードも十分強い方でした。正直、本当に人間なのかと疑いたくなるくらいに……」

「そのカオスファクターが置き土産と言わんばかりに置いていったニア・アダムスっていう泥人形共も強かった。恐らくだが、戦闘力は並の怪人より上だな。ありゃ……」

空間モニターに映るカオスファクターの面々を見ながら、はやてとフェイトがそう言うなか、上から春美さん、ひかるさん、一輝さん、セッテ、和輝さんの五人は真剣な表情でそう言う。

「ほんと、そこにいる神様がいなかったら、少しヤバかったかもな。」

「………」

和輝さんはそう言いながら、普通に話し合いに参加している青地に千鳥格子をあしらったパーカー姿の男、本家鎧武こと葛葉紘汰を見た。

・・・何故、ここにいる?
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