話し合いと新しい“力”

リビング・・・

「一翔。怪我の具合は大丈夫か?」

「はい。クソジジイ共々、大丈夫です。」

「しかし、まさか、『Xマジンラー』が一翔のクローンを生み出していたとはな。」

「スカリエッティ達は知ってたの?一翔君のクローンのこと。」

リビングでそう尋ねる和也さんに腕に少しだけ包帯を巻いた僕がそう答えるなか、一輝は真剣な表情でそう言い、春美さんも真剣な表情でそうスカリエッティさん、ウーノ、トーレ、それと『Xマジンラー』によって魔皇石を埋め込まれた少女、紅悠月の四人にそう尋ねる。

あ。どうも。視点は作者から変わって僕、ノゾミの父親で『冥界神』の中村一翔なので悪しからず。

「いや。私達も彼のクローンのことは何も知らされてはいなかった。恐らく、私達抜きで開発したんだろう。」

「少なくとも、ドクター達が裏切ろうとしていたのは緋之宮悠姫辺りには気付かれてたみたいだしね。」

僕が心の中でそう読者の皆様にそう言うなか、スカリエッティさんと悠月は真剣な表情でそう答える。

「しかし、一翔のクローンが造り出されてるのは厄介だな。量産でもされてたら俺達が負ける確率が上がるってもんだ。」

「いや。少なくとも、量産はされてないと思う。量産化ができるレベルまで達していたらソロモン本体が態々回収しに来る必要がねぇからな。」

そんななか、そう言う一輝さんに対し、いつの間にかいた白黒のツインテールに金色の瞳のゴスロリ少女が真剣な表情でそう言う。って

「誰だ?おまえ。」

いつの間にかいて、普通に話し合いに入ってきたゴスロリ少女に対し、僕は割と真面目な表情でそうツッコミを入れる。

マジで誰だ?っていうかいつの間にいた?

「いやいや!!昨日からいたっていうか一緒にあの化け物ライダーと殺り合ったのにそれはなくねぇか!?」

はい?

「俺だよ!俺!!誘心理王だよ!!!」

「「はあぁああぁぁぁあぁぁあああぁあぁぁあああぁああぁぁぁああぁあぁああぁぁぁあぁぁあああぁあぁぁああぁっ!!?」」

「うぉいっ!!夫婦揃ってなんだ!?その反応!!」

結構マジな感じでリアクションする僕とスィンに対し、ゴスロリ少女、理王は芸人ばりのツッコミをしてくる。

っていうかマジで!?

「マジだよ。後、この姿だとリオン・アーレスって名乗ってるからよろしくな。」

「私達の結婚式からこの19年の間に何があったのよ……」

普通な感じでそう言う理王、いや、リオンに対し、スィンは真顔でそう言う。

本当、19年の間に何があった。

「19年?理王?……あぁ!おまえ、こっちでの19年前の一翔とスィンの結婚式に招待された、脇役感満載の地味男か!!随分と変わっちまったな。」

そんななか、19年前の結婚式で一度会ったことのある和也さんがそうリオンに話しかける。

グサッ!!

「orz」

あ。リオンが落ち込んだ。

「あれ?もしかして、今のは禁句だったか?」

「まぁ、こんなことで落ち込むようなガラスのハートのご主人様は放っておいて、話し合いを続けましょう。」

そんなリオンの様子に和也さんがそう言うなか、いつの間にかリオンの近くにいた、肘までの紫がかった黒髪に深緑の瞳、白銀の薄くて細身の鎧を着た、身長170くらいの少年がそう言う。

「いやいや!!理王さんやなくてリオンさんを放置してええんかい!?っていうか誰!?」

「あ。はじめまして。私、月詠母様に生み出された魔武器擬き一族の一人でご主人様、リオン・アーレス様の槍のテュールと申します。以後、お見知りおきを。ご主人様は一時間もすれば復活しますから大丈夫ですよ。」

その直後、そうツッコミを入れてくるはやてに対し、少年、テュールは恭しく頭を下げながらそう自己紹介をする。

「魔武器擬き一族……ということは桔梗と涼華、紫蓮の兄弟か……」

「えぇ。桔梗姉さんが私の姉、涼華と紫蓮が妹と弟に当たりますね。」

「因みにテュールお兄ちゃんが魔武器擬き一族の長男に当たるッス。」

「月詠ちゃんって何人の子持ちになるんだろう……」

ドドドドドドドッ!!

バンッ!!

「テュールの気配がするんだよ!!」

真剣な表情でそう言う一輝さんにそう言うテュールと涼華の説明を聞いて、春美さんがそう言うなか、実は昨日、教会への避難等を担当して帰っていなかった桔梗がそう言いながらリビングに入ってくる。

相変わらず両親や兄弟に対する察知能力が凄いな。

「桔梗姉さん……」

「テュール!!あなたもこっちに来てたんだね!!」

「えぇ。そこで肯垂れているご主人様と一緒に……」

そうして桔梗とテュールは兄弟同士での話に花を咲かせ始める。

「涼華。話し合いは俺が代わりに聞いとくから兄弟同士の会話に加わると良いよ。」

「紫蓮も行ってきていいよ。」

「ありがとうッス。レオさん。」

『ありがとう。マスター。」

そんな二人の様子を見て、レオとノゾミはそう言いながら涼華と紫蓮を兄弟同士の話の輪へと送り出した。
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