『Ｘマジンラー』本部、廊下・・・

「どういうつもりか、説明してもらいましょうか。ソロモン。」

彩翔を回収し、撤退してきたソロモンに対し、加頭は無表情のまま、スカリエッティ達の反逆を手助けし、メガリバース計画を邪魔したことについて、そう問い詰める。

「そう怒るなよ。知ってるだろ？俺ら、悪魔は契約は絶対だってことはよ。」

「つまり、Dr.スカリエッティはあなたと事前に契約を交わしていたということですか。」

「まぁな。だが、その契約で奴らの研究施設を使わせてもらったおかげで俺達の最高傑作である喰月彩翔やこのインヴェイドを生み出すことができたんだ。」

ソロモンはそう言いながら背後にいる彩翔を見る。

彩翔は既に先程、一翔達に負わされた傷が殆んど癒えていた。

「ククク……生み出す際に与えた自己修復で既に傷の殆んどが治っている上にオリジナルである中村一翔を圧倒できることが今回の戦いで証明されたんだ。これ程の戦力が手に入ったことを考えれば、スカリエッティ達の離脱はまあまあ安いもんだろ。」

「まぁ、その中村一翔の伴侶であるスィン・ナカムラや娘であるノゾミ・ナカムラ、ヴェルザ・ナカムラに対しては本領を発揮できなくなるのが難点だと思いますがね。」

「クハハハッ！！そこは俺達の技術による再現度が高すぎたと妥協するしかねぇな。まぁ、俺の因子が埋め込まれている以上、こいつは俺を裏切ることはできねぇし、俺も本気であんたらを裏切る気は今はねぇから大した問題にはならねぇだろうよ。」

無表情のまま、そう言う加頭に対し、ソロモンは嗤いながらそう言う。

「で、あんたらは俺を処分する気かぁ？」

「そのことについてですが、契約のことを考慮した総帥からは不問にするようにと言われております。まぁ、計画の発案兼主導をした悠姫さんからは「五発殴ってやるから部屋にこい。」と伝言を頼まれていますが。」

「クハハハッ！！まぁ、当然っていえば当然か！！！」

加頭から伝えられた悠姫からの伝言に対し、ソロモンは笑いながらそう言った。

闇梨紗の部屋・・・

「なんか勝手なことをしてくれたわね。千景。」

「申し訳ありません。我が主。」

その頃、『Ｘマジンラー』本部で用意された自室にあるベッドに腰かけながらそう言う闇梨紗に対し、彼女の使い魔である千景は頭を下げながらそう言う。

「まっ。それなりに愉しめたから別に良いんだけど……覇道と戦っていたあの二人組はあなたの知り合いだったのかしら？」

「いえ。あの二人とは会ったこともないんですが……」

「なによ？」

「何故か、あの茶髪の少女が苦戦している姿を見た瞬間、無意識に身体が動いていました……」

「ふぅーん……まっ。あなたは蝶炎と同様、連中にその存在がまだ認識されてないから大丈夫だろうけど……次からは気を付けなさいよ。」

「はい。」

「じゃあ、私は一眠りするから。」

「了解しました。」

闇梨紗はそう言いながら横になり、眠りについた。