発動!メガリバース計画

コッ・・・コッ・・・

「「!?」」

「「………」」

そんななか、白い服を着た、全く同じ顔をした二人の男が二人に近付いてくる。

「誰だ?おまえ達は……」

「断片、朱月藤果の解放を確認。」

「これより、仮面ライダー斬月の排除及び朱月藤果の回収を開始する。」

『『スクラッシュドライバー!!』』

首を傾げながらそう尋ねる貴虎の問いには答えず、二人の男・・・プロジェクトFの技術で生み出された二人の人造魔導士はそう言いながらスクラッシュドライバーを装着する。

『『ロボットゼリー!!』』

続けて人造魔導士達は少し暗い銀色のロボットスクラッシュゼリーをドライバーに装填する。

「「変身。」」

『『潰れる!流れる!溢れ出る!・・・ロボットイングリス!!ブルァッ!!』』

パキィィィンッ×2!!

次の瞬間、人造魔導士二人は金の部分が暗い銀に、複眼がワインレッドになったグリス・・・ソロモンが作成し、『Xマジンラー』が完成させた量産型グリスに変身する。

『『ツインブレイカー!!』』

変身した後、二人の量産型グリスは左腕にツインブレイカー・アタックモードを携え、貴虎と藤果に歩み寄る。

「ッ……」

「貴虎お坊っちゃま……」

そんな量産型グリス達を見て、貴虎が強く藤果を抱きしめ、藤果が少し弱々しそうにそう言うなか、

「い~しゃ~きぃも~お芋。とっても~甘くてぇ~おいしい~おいもだぁ~よぉ~」

「「「「!?」」」」

上のスピーカーからそう言う青年の声が聞こえてくる一台の軽トラックが走ってくる。

キキィッ!!ガチャッ!!

「おい!!あんたら、大丈夫か!?」

次の瞬間、軽トラックからツンツンした茶髪に黒いTシャツの上グレーのダウンジャケット、普通のジーパンとスニーカーを履いた青年が降りて、駆け寄ってくる。

「「邪魔だ。」」

「おわっ!?」

そんな青年に対し、二人の量産型グリスはそう言いながら襲いかかる。

が、青年はその攻撃をかわし、片膝を着きながら、貴虎と藤果を背にしながら距離を取る。

「!?グリス?……いや、色が少し違う……パチモンか?」

量産型グリス達を見ながら、青年はそう言いながら立ち上がる。

「俺の前でパチモンとは良い度胸してるじゃねぇか。」

「おまえは……」

北海きたうみ孝治こうじ。」

立ち上がった後、困惑しながらそう尋ねる貴虎に対し、青年、北海孝治はそう名乗る。

「北海孝治……該当データ、なし……」

「貴様……何者……?」

「別に名乗る程のもんじゃねぇよ。」

『スクラッシュドライバー!!』

孝治はそう言いながらスクラッシュドライバーを取り出し、装着する。

「俺はただの通りすがりの焼き芋売り兼仮面ライダーだ。」

『ロボットゼリー!!』

「変身!!」

『潰れる!流れる!溢れ出る!・・・ロボットイングリス!!ブルァッ!!』

パキィィィンッ!!

次の瞬間、孝治はそう言いながらグリスに変身する。

「「!?」」

「フフン。かかってこい。パチモン野郎共……銀メッキ、剥がしてやる……」

「作戦変更。これより、目の前の仮面ライダーグリスの排除を最優先とする。」

「了解。」

変身した自分の姿を見て、驚愕する貴虎と藤果を他所に左手の人差し指を上へ軽く曲げて、手招きならぬ指招きしながらそう挑発してくる孝治に対し、二人の量産型グリスはそう言いながら襲いかかってくる。

「フッ!!ラァッ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

対する孝治はまずツインブレイカー・アタックモードで斬りかかってくる一人目の攻撃をかわしながら背中を蹴り飛ばす。

そんな孝治に対し、二人目がすかさずツインブレイカーで突きを放ってくる。

「フッ……」ガシッ!!

「!?」

が、孝治はその突きをかわしながら二人目の左腕を掴み、

「オラァッ!!」

「「!?」」

ドカァァァンッ!!

そのまま勢いよく一人目の方に投げ飛ばし、ぶつけて吹き飛ばす。

『『ロボットゼリー!!』』

『『シングルフィニッシュ!!』』

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

投げ飛ばされた後、量産型グリス達はすぐさまツインブレイカーをビームモードにし、ロボットスクラッシュゼリーを装填して、ビームを連射して放ってくる。

「おっと!!」

『ツインブレイカー!!』

『ガトリング!!』

『シングルフィニッシュ!!』

「はぁっ!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

対する孝治はそのビーム弾をかわしながらツインブレイカー・ビームモードを取り出し、ガトリングフルボトルを装填し、高速連射でビームを放つ。

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

孝治が放ったビーム弾は全弾命中し、土煙が舞う。

『消しゴム!!』

『ディスチャージクラッシュ!!』

ズオオオォォォッ!!キュキュキュ・・・ッ!!

その隙に孝治は腕の穴から流れ出たゼリーで形成した消しゴムで文字を消すように自身の姿を消す。

「!?対象の姿をロスト……」

「一体何処に……」

土煙が晴れた後、孝治の姿が消えていることに気付いた量産型グリス達はそう言いながら探し始める。

『ツインブレイク!!』

「ラァッ!!」

「「!?」」

ドカァァァンッ!!

そんななか、いつの間にか近づいていた孝治がロボットスクラッシュゼリーとロボットフルボトルを装填したツインブレイカー・アタックモードで“ツインブレイク”を一人の量産型グリスに食らわし、吹き飛ばす。

「ぐはぁっ!?」

「貴様!!」

吹き飛ばされた量産型グリスがダメージを受けながら転がるなか、もう一人の量産型グリスはそう言いながらツインブレイカー・アタックモードで猛攻を仕掛けてくる。

が、孝治は軽快な動きでかわしていく。

『ロボット!!』

『ロボットゼリー!!』

「もう一丁!!」

『ツインブレイク!!』

ドカァァァンッ!!

「ぐはぁっ!?」

孝治はそう言いながら“ツインブレイク”を食らわせ、先に吹き飛ばした量産型グリスの方へと吹き飛ばす。

「そろそろ銀メッキ……完全に剥がすとするか……」

『スクラッブフィニッシュ!!』

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「「!?」」

ドカァァァンッ!!

孝治はそう言いながら“スクラッブフィニッシュ”を二人同時に食らわせる。

「「ぐわあああぁぁぁーーーっ!?」」

ドッカァァァンッ!!

食らった二人の量産型グリスは次の瞬間、そう断末魔の叫びを上げながら爆発し、消滅した。
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