敗北を超えて

食堂・・・

「さてと、とりあえずは今後の方針についてなんだが……」

「本郷さんと巧さんの言うように『Xマジンラー』が、いや、悠姫がやろうとしていることが『サグメの能力を利用したメガリバース計画』である可能性は以前、カオリが悠姫本人から聞き出した悠姫自身の目的が『恋人の蘇生』であることから十分高いと思われます。」

巧や本郷からメガリバース計画についての説明を聞いた後、真剣な表情でそう切り出す和也に対し、フェイトも真剣な表情でそう言う。

「!?恋人の蘇生?」

「はい。病で死んだ恋人を生き返らせ、今の自分と同じ長命な種族に変える……そのために悠姫は『Xマジンラー』に加入したと聞きました……」

「まるで『ジュエルシード事件』の時のプレシアさんみたいな動機ね。」

「やろうとしていることはプレシアさんよりもタチが悪いけどな。メガリバース計画なんてものが実行されれば、確実に多くの人が死ぬことになる……」

首を傾げながらそう言う春美にフェイトがそう説明するなか、悠姫の目的について、そう言うひかるに対し、和也は真剣な表情でそう言う。

「メガリバース計画……何がなんでも阻止しなきゃいけないわね。一翔。」

「あぁ………」

「恐らくだが、『Xマジンラー』は既にメガリバース装置を開発し、この世界の何処かに設置している……」

「拐われたサグメも恐らくそこにいる筈だ。」

「となると、メガリバース装置がある、『Xマジンラー』の支部を見つけるのが私達がするべき最優先の行動ね。」

「ん?」

「どうかしたの?水無月ちゃん。」

「カーディガンの裏に何か……紙?」

『?』

スィン、一翔、巧、本郷、佳奈多の五人がそう言うなか、水無月のカーディガンの裏から水無月自身も身に覚えのない一枚の紙が出てきた。

※因みに水無月の現在の格好は白いYシャツに薄手の黒いカーディガン、青いスカートです。By作者。
3/5ページ
スキ