地獄の妖精と月の民

ズガガアアアァァァンッ!!

ノゾミが放った“ソルツインバースト”によって王蛇がいた所が土煙に包まれる。

サァァァ・・・

「ズ・・・ガー・・・」

「ふぅー……助かったぜ……」

「!?」

土煙が晴れた次の瞬間、盾代わりにされたのか、ボロボロになったカメバズーカとほぼ無傷の王蛇が現れる。

「き……貴様……!!」

「近くにいたおまえが悪い。」ポイッ

王蛇はそう言いながら瀕死の状態になったカメバズーカを放り投げる。

「ズガー・・・」ドサッ!!

ドッカァァァンッ!!

放り投げられたカメバズーカは数歩、歩いてから倒れ、爆散する。

「どうして、仲間を……」

「ハッ!たかが駒一つ、どうでもいい……使えるものは使う。それだけのことだ……」

真剣な表情でそう言うノゾミに対し、王蛇はそう言いながらベノサーベルとメタルホーンを構え直す。

「……許さない……」

「あ?」

ゴオオオォォォーーーッ!!

「!?」

対するノゾミがそう言った瞬間、ノゾミを中心に白銀が混ざった空色の風が吹き荒れる。

「な、なんだ?……その“力”は!?」

吹き荒れる風・・・NSの風を見て、王蛇がそう困惑の声を上げるなか、

「フッ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

「ぐっ!?」

いつの間にか肉簿していたノゾミが右拳で王蛇を思いきり殴り飛ばす。

王蛇は咄嗟にメタルホーンを盾代わりにするが、衝撃がメタルホーンを通り越して装備している左腕に伝わり、ダメージを与える。

(くっ……スピードとパワーがさっきより上がっている!?)

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

ドカカカカカカカカカカカカカカカッ!!

ノゾミのスピードとパワーが上がったことに王蛇がそう思いながら困惑するなか、ノゾミはそう言いながら連続パンチを食らわせる。

「ぐぅぅぅっ!?……調子に乗るな!!」

連続パンチを食らい、ダメージを受けながらも王蛇はそう言いながらベノサーベルに破壊属性の魔力を纏わせて斬り裂こうとする。

「ッ!!」

ガキィィィンッ!!

「なに!?」

が、ノゾミは咄嗟に左手を龍化させて、王蛇のベノサーベルを受け止める。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「!?」

ズガアアアァァァーーーンッ!!

受け止めた後、ノゾミはそう言いながら右手の掌に形成したスフィアを王蛇の腹部に当てがい、ゼロ距離で白銀が混ざった空色の砲撃を放つ。

「ぐわあああぁぁぁーーーっ!?」

「一気に決める!!」

『ルパッチマジック・タッチ・ゴー!!ルパッチマジック・タッチ・ゴー!!』

『チョーイイネ!!』

『キック・ストライク・サイコー!!』

カァァァ・・・ボオオオォォォッ!!

その瞬間、ノゾミの足元に必殺の魔法陣が展開され、右足に炎が纏われる。

しかし、その魔法陣はいつもの縁が金色の赤い魔法陣ではなく、縁が白銀の空色の魔法陣。炎もまた金色がかった赤ではなく、白銀が混ざった空色の炎だった。

「“ストライクホープ”!!」

ノゾミはそう言いながらNSで強化した“ストライクホープ”を王蛇に食らわせようとする。

「!?」

ズガァァァンッ!!

「きゃあっ!?」

が、その瞬間、何処からか漆黒の雷の斬撃が放たれ、ノゾミの“ストライクホープ”を妨害する。

「………」

次の瞬間、斬撃が放たれた方から仮面ライダージョーカーに酷似しているが胸、手足、肩の意匠が金色で赤いマントを羽織り、全身に黒い雷電を帯び、柄にマキシマムスロットが付いたサタンサーベルのような赤い刀身の長剣を装備した仮面ライダーが現れる。

「漸く逢えたな……『希望』の担い手………」

「くっ……あなたは?」

「仮面ライダーディスペアー。貴様とは対を為す『絶望』の担い手………」

体制を立て直しながらそう尋ねるノゾミに対し、謎の漆黒のライダー、ディスペアーはそう答えながら長剣、ディスペアーサーベルを構え直す。

「『希望』の担い手、仮面ライダーホープ……絶望を受け取れ……」

ドンッ!!

ディスペアーはそう言いながら一瞬の内に肉簿し、ディスペアーサーベルで斬りかかってくる。

「!?」

(速い!?)

「くっ!!」

ガキィィィンッ!!

ノゾミはそう思いながら龍化させた左腕でディスペアーのディスペアーサーベルを受け止める。

「ハッ!!」

ドカァァァンッ!!

「あっ!?」

が、ディスペアーはすぐさま左足でノゾミの背中を蹴飛ばし、

『トリガー!!マキシマムドライブ!!』

「はぁっ!!」

ズガガガァンッ!!

「あぁっ!?」

ディスペアーサーベルの切っ先から三弾の黒い雷弾を放ち、ほぼゼロ距離で食らわし、吹き飛ばした。
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