地獄の妖精と月の民

ビャッコの森、レビアの湖・・・

「へぇ~~~、ここがレビアの湖かwwwww」

「結構綺麗な所だね。ヴィオラちゃん。」

「そうだね。エレンちゃん。」

「私は小さい頃からピクニックで来てたんだけどね。最近はなかったんだけど。」

「あぁ、そういえば、ノゾミのお父さんの一翔さんは元はこの森の三代目の主だったっけ?」

「うん。」

「ちょっと五人とも。変に気ぃ抜くんじゃないわよ。この湖で何人も行方不明になってる以上、何が起きるかわからないんだから。」

ビャッコの森にある湖、レビアの湖を見ながらそう言う零次、エレン、ヴィオラ、ノゾミ、セッテの五人に対し、美咲は若干呆れながらそう言う。

因みに六人が受けた依頼内容は『最近、通りがかった旅人や採取依頼で近くまでギルド員が行方不明になる事件が多発している『レビアの湖』の調査』である。

「へいへーいwwwwwしかし、特に怪しいもんはなさそうだなwwwww」

そんな美咲に対し、零次がそう言いながら湖を見渡すなか、

ズズズ・・・ガシッ!!

「え?……きゃあっ!?」

「「「「「!?」」」」」

いつの間にか触手状になった湖の水がヴィオラの足に絡みつき、引き摺り込もうとする。

「ヴィオラちゃん!!」

「くっ!!」

ズバァァァンッ!!

引き摺り込まれそうになるヴィオラにエレンがそう言うなか、ヴィオラはすぐさま片手剣に形状変化させ、光の魔力を纏わせた断絶で水の触手を斬り裂く。

その後、ヴィオラはバックステップでノゾミ達の近くまで退避する。

「ヴィオラのバックステップでのパンチラwwwwwゴチですwwwww」

「死ね。“デストラクトダガー”」

ビュビュビュビュビュビュビュビュンッ!!

笑顔でそう言う零次に対し、エレンは真顔でそう言いながら両手の指の間に破壊属性の魔力の短剣を生み出し、投げナイフの要領で投げつける。

「ちょっ、エレンwwwwwそれはアカンってwwwww」

対する零次はそう言いながら、若干冷や汗を流しながら紙一重でかわしていく。

「そこ、ふざけない!!」

「来るよ!!」

ズオオオォォォッ!!

そんな二人にセッテがそう言い、ノゾミがそう言った次の瞬間、湖の水がスライムのように競り上がってくる。

「「!?」」

「ッ……ここに来た時から違和感は感じてはいたけど……」

「まさか、行方不明事件の犯人がこの湖そのものだったとはね……」

「っていうかあれって……」

「もろモーファじゃんwwwww」

パキキ・・・ッ!!ズドドドドドドドッ!!

スライムのように競り上がった湖、否、いつの間にか湖に住み着いたSSSランクの魔物、モーファを見て、ヴィオラとエレンが驚愕し、ノゾミ、セッテ、美咲、零次の四人がそう言うなか、モーファは頭上に七本の氷柱を生成して放ってくる。

「「「「「「ッ!!」」」」」」

ズガガガガガガガァンッ!!

対する六人は一旦散りながら、モーファの氷柱をかわす。

「フッ!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

かわした後、ノゾミは二丁流にしたサクラで二十弾の“サンダーバレット”を放つ。

が、モーファは素早い動きでかわしていく。

「「はあああぁぁぁーーーっ!!」」

そんなモーファに対し、飛行魔法で飛び上がったエレンと零次が破壊属性の魔力を纏わせた血爪と琥珀で背後から斬りかかる。

ズオオオォォォッ!!

が、モーファはその攻撃も素早くかわしながら触手を伸ばし、二人を捕まえようとする。

「“ホーリーシールド”!!」

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

ズガァァァンッ×2!!

ズバァァァンッ×2!!

が、ヴィオラが瞬時に“ホーリーシールド”を二人の前に展開して防ぎ、セッテがビーム刃を纏わせたブーメランブレードを投擲して、モーファの触手を斬り裂く。

「ありがとう!!ヴィオラちゃん!!セッテちゃん!!」

「サンクスwwwww」

ズオオオォォォッ!!

エレンと零次がそう言うなか、モーファは今度はヴィオラを捕まえようと触手を伸ばしてくる。

「危ない!!」

ズオオオォォォッ!!

が、スターダストの『残撃』で作り出したウイングロード擬きに乗って駆ける美咲がそう言いながらヴィオラを回収し、モーファの触手が届かない空位まで上がる。

「ヴィオラちゃん!!美咲ちゃん!!」

「大丈夫!?」

その後、ノゾミとセッテがそう言いながらエレンと零次と共にウイングロード擬きの上に上がり、合流した。
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