地獄の妖精と月の民

ラブア火山付近・・・

「くっ……相変わらず暑いわね。ここは……」

「そうだねぇ~~~」

「早いとこヴァルバジアを見つけて討伐しないとな……」

「依頼書ではもうすぐでヴァルバジアの出没区域に入ると思いますが……」

「………」

あの後、ノゾミ達と分かれたラミ、アカリ、マコト、カイン、ジェイの五人はそう話しながら討伐対象であるSSSランクの魔物、ヴァルバジアを探しながら歩いている。

「……!」

「どうかした?ジェイ君。」

「……血の……臭いが……する……」

「血の臭いだと?」

「他の魔物と戦闘をしたか、もしかしたら近くで旅人が襲われているんじゃ……」

「とにかく行ってみましょう。」

そうして五人はジェイが嗅ぎとった血の臭いの方へと向かっていく。

「いえーい♪思い知ったか!!デカトカゲ!!あたいの邪魔をするからこうなるんだぁーい!!」

「………」

五人が行ってみると、そこには顔の部分の鱗が黒く、他は紅い。背中にはたてがみのように炎を吹き出した、竜というより龍に近い魔物、五人の討伐対象であるヴァルバジアが所々、血を流しながら倒れ、その上で金髪のロングヘアーに赤がかった紫の瞳、ピエロのような格好をした妖精・・・前章の最後ら辺で片翼の少女と共に銀のオーロラで迷い込んでしまった地獄の妖精、クラウンピースが笑顔でピョンピョン跳ねながらそう言う。

「はぁ~、しかし、これからどうしようかねぇ~。中二病と一緒に変なオーロラに突っ込んじゃったと思ったら、なんか温い火山にいちゃってるし。中二病はどっか行っちゃってるし。もう一回、月に行こうにも月が二つになってるからどっちに行けば良いかわからなくなるし。変なデカトカゲに出会でくわすし……」ブツブツ

「「「「………」」」」

「クラウンピイイイィィィスッ!!?」

「ん?」

ピョンピョン跳ねた後、ヴァルバジアの上で座り込みながらそう言うクラウンピースを見てアカリ、ジェイ、カイン、ラミの四人が思わず固まるなか、マコトが思わずそう叫ぶ。

こうしてマコト達五人と迷い込んでしまった地獄の妖精は出会った。
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