波乱万丈!修学旅行!!

奴隷オークション会場・・・

ざわざわ・・・ざわざわ・・・

「オークションは今日も盛況だね。オーナー。」

「ありがとうございます。Ms.緋之宮。これもあなた方、『Xマジンラー』のお力添えのおかげです。」

奴隷オークション会場のVIP席にて、そう言う悠姫に対し、スーツに身を包んだ陰険そうな中年男性、奴隷制度賛同派の生き残りで主催者であるショーン・オークは手揉みしながらそう言う。

「………」ガタッ!!

「おや?Ms.緋之宮。どちらへ?」

「オークション開始までまだ時間あるでしょ?ちょっと散歩してくる。」

悠姫はそう言うとVIP席を出ていった。





牢獄・・・

「………」

自分以外にも捕まっている奴隷一歩手前の人々がビクビクと怯えているなか、手錠と首輪(無理やり外そうとすると爆発する仕様)を着けられたみゆきは壁に寄りかかりながら静かに座っている。

「へぇ……意外だね。これから奴隷として売り出されるかもしれない状況だってのに………」

「!?」

そんななか、みゆきの様子を見にきた悠姫がそう言いながら現れる。

「怖くないの?」

「……怖いよ。でも、信じてるから……マコトさんや皆がきっと助けにきてくれるって……」

「ふぅーん……」

「ねぇ。あなた達の、『Xマジンラー』の目的って何なの?」

「……全ての世界を絶望の闇に包み込み、支配すること……ボクは興味ないんだけどね。」

「じゃあ、どうして協力してるの?」

『Xマジンラー』に所属し、協力している理由について、みゆきは首を傾げながらそう尋ねる。

「……どうしても果たしたい目的が……取り戻したいものがあるから……」

「え?」

「………」

静かな声でそう答える悠姫の言葉にみゆきが思わずそう言うなか、悠姫は無言でその場を歩き去っていく。

「取り戻したいもの……」

(なんだろう……さっきのあの人の顔……とても哀しい眼をしていた……)

そんな悠姫の後ろ姿を見ながら、みゆきはそう思いながらそう呟く。

廊下・・・

「……こんなことまでして甦らせたら、君はボクを許さないかな……」

牢獄から廊下に出た後、悠姫はそう呟きながらVIP席へと歩み始める。

「でも……それでもボクは……」

そう呟く悠姫の眼には先程、みゆきが感じ取った哀しみと共に強い覚悟が宿っていた。
19/41ページ
スキ