力の意義

回想、『安らぎの縁側』、調理場・・・

「あの。一つ、聞いていいですか?」

「ん~?」トントントン

時を遡って事件解決から十日後、三日間の昏睡状態から目覚め、三日間の引きこもりから部屋を出たノゾミは『安らぎの縁側』の調理場でそうリサに話しかける。

「……リサさんはどうして受け入れられたんですか?」

「……私も君と同じだったよ。」トントントン

「え?」

「何が起こっているのか、自分は何者なのか……誰かに教えてほしかった……」サッサッサッ

「リサさん……」

「でも、結局は自分で出さなきゃいけない答えもある。人間ヒトとしてできること……それは自分自身で決めるしかないんだ……」トントントン

人間ヒトとしてできること……」

トンッ・・・

その時、リサは包丁をまな板の上に置き、ノゾミと向き合う。

「まぁ、今はゆっくりと探していけばいいよ……ね?」ナデナデ

「……はい……」
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