絆の不死鳥

『エクスプロージョン・プリーズ』

ドカァァァンッ!!

「ぐわっ!?」

拳がぶつかり合った直後、ノゾミは自分の意思とは関係なくエクスプロージョンリングでセッテを吹き飛ばす。

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

それに続いて、スフィアから大量の“ブリザードアロー”が放たれ、セッテがいた所が土煙に包まれる。

『(クロハラ)セッテ(ちゃん)(さん)!!』

「あっ……」

その土煙を見て、和也やみゆき達がそう言うなか、ノゾミはそう言いながら、顔を青ざめながら一瞬固まる。

サァァァ・・・

「………」

『!?』

が、土煙が晴れた次の瞬間、イージスソードで捌ききったのだろう、ほぼ無傷のセッテが現れる。

「この想いがある限り、私は絶対に諦めない……こんな私を友達だと言ってくれたあなたがそうだったように……」

「セッテ……」

「ノゾミ……あなたの本当の気持ちを教えて……」

自分を見ながら固まるノゾミに対し、セッテは真剣な表情でそう言う。

「……助けて……助けてっ!!」

対するノゾミは涙を流しながらそう言う。

「助けるよ……何時だって、どんな時だって!!」

ドカァァァンッ!!

次の瞬間、二人は同時に駆け出し、ぶつかり合う。

「!?」

「ッ……」グググ…ッ!!

が、ノゾミの突きだした拳をセッテはしっかりと掴み、受け止める。

バキンッ!!

「!?」

その時、ノゾミの四肢に赤、青、黄色の“レストリクトロック”が掛けられ、身動きを封じる。

「よしっ!!バインド完了!!」

「セッテちゃんだけに気を取られて油断してたね。」

「今だよ!!セッテちゃん!!」

和也と春美と協力してノゾミに“レストリクトロック”を掛けた後、ひかるがそうセッテに言う。

「ありがとうございます!!ひかるさん!!和也さん!!春美さん!!」バサァッ!!

対するセッテはそう言いながらアンドロマリウスの翼を出現させて飛び立つ。

キイイイィィィンッ!!

「!?」

その時、セッテの懐に仕舞われていた『R』と描かれた赤いガイアメモリ・・・以前、知り合った異世界の友人、レキ・ブルーオーシャンから一翔を通じて渡されていた『レボリューション革命メモリ』が輝き始める。

「これは……ッ!?」

パァァァ・・・

突然、輝き始めたレボリューションを手に取りながら見つめるなか、イージスゼクターの背部にセットされているエヴォリューションメモリの左隣に新たなスロットが出現する。

「……そういうことか……」

『レボリューション!!』

『Change RevolutionAegis』

パキィィィンッ!!

セッテがそう言いながら新たに出現したスロットにレボリューションメモリをセットした瞬間、四肢に赤く燃え上がる炎のような意匠が追加され、一対の翼のような二枚のマントの内、左側が赤くなり、複眼も左目が赤くなる。

セッテは今、イージスの新たなる姿、『レボリューションイージス』に強化変身した。

パァァァ・・・

『!?』

「!?ホープメモリが!!」

そんななか、ノゾミの懐に仕舞われていたホープメモリがエヴォリューションメモリ、レボリューションメモリと共鳴しながらノゾミの元からセッテの元へと飛んでいく。

「ホープ……あなたもノゾミを助けたいんだね……」

キィンッ!!

パァァァ・・・

そう言うセッテに答えるかのようにホープメモリが一瞬だけ強く光ると同時にエヴォリューションメモリの右隣にまた新たなスロットが出現する。

『ホープ!!マキシマムドライブ!!』

『エヴォリューション!!マキシマムドライブ!!』

『レボリューション!!マキシマムドライブ!!』

セッテはホープメモリを三つ目のスロットにセットし、スィッチを押した後、先にセットしたエヴォリューションメモリとレボリューションメモリのスィッチを押し、マキシマムドライブを起動させる。

「!?三本同時のマキシマムドライブだとッ!?」

『!?』

キュイイイィィィーーーンッ!!

セッテが行おうとしている三本同時のマキシマムドライブ・・・トリプルマキシマムに和也がそう困惑の声を上げるなか、イージスゼクターを黄金の光が包み込み、光は右が緑、左が赤のオッドアイの巨大な鳥の形を形成する。

「いくよ……ノゾミ……」

「……うん……」

「“オーバードライブ・フェニックスアロー”!!!」

キュイイイィィィーーーンッ!!

セッテがそう言った瞬間、イージスゼクターを包み込んでいた黄金の鳥はノゾミの方へと飛んでいき、ノゾミを包み込んだ。
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