新たな力、暴走

「ぐるるる・・・っ!!」

ビュオオオォォォッ!!

対するノゾミは自身の周りに突風を巻き起こし、防御しようとする。

ズガアアアァァァンッ×5!!

「ぐおおおぉぉぉーーーっ!?」

が、一輝達の同時攻撃はノゾミの突風を撃ち抜き、命中して煙が舞う。

「やったか!?」スタッ!!

「それ、フラグゥゥゥッ!?」

サァァァ・・・

「ぐるるる・・・っ!!」

そう言いながら着地する和輝にマコトがそうツッコミを入れるなか、煙が晴れ、中からそれ程のダメージを負っていないノゾミが姿を現す。

「!?この空間の中でこれ程の攻撃食らってほぼノーダメージだと!?」

「だったらもう一度!!“雹牙天衝”!!」

「“天空”!!」

「MAX強化版“ブリザードアロー”!!」

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「“50ノーティカマイルストライク”!!」

『マキシマムガシャットッ!!』

「リプログラミング!!」

『MAXIMUM MIGHTY!CRITICAL FINISH!!』

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

ズバアアアァァァンッ×3!!

シュパアアアァァァンッ!!

一輝、ひかる、春美、貴利矢、和輝の五人はもう一度、同時攻撃を放ち、影分身の和也もガシャコンキースラッシャー・ブレードモードで“マキシマムマイティクリティカルフィニッシュ”を放つ。

「ぐおおおぉぉぉーーーっ!!」

カアアアァァァーーーッ!!

「ぐわっ!?」

が、ノゾミがそう雄叫びを上げた瞬間、ノゾミのNSの輝きが和也達の攻撃を全て打ち消し、飛び蹴りしようとした和輝も吹き飛ばす。

『!?』

そのことに和也やセッテ達が驚くのも束の間、

ドンッ!!

ノゾミは先程よりも速いスピードで貴利矢に急接近する。

「!?速」

ズバァァァンッ!!

「ぐはぁぁぁっ!?」

パァァァ

「「!?」」

ズバァァァンッ×2!!

ノゾミは貴利矢を爪で斬り裂き、変身が強制解除される程のダメージを与えた後、一輝とひかるもバリアジャケットを貫通して、爪で胸を深く斬り裂く。

「くっ!!野郎っ!!」

それを見た和輝はそう言いながら殴りかかる。

ズバババババババァンッ!!

「ぐわっ!?」

が、ノゾミは鎌鼬で和輝の腕を斬りつけ、負傷させ、

「!?」

ズドォォォンッ!!

鎌鼬を纏わせた尻尾で春美の胸を貫く。

ズシュッ!!

ドサッ!!

ノゾミが尻尾を引き抜いた後、春美は何も言わずに倒れ、血溜まりができる。

『………』

「!?和也さん!?」

「………」

その光景を見て、マコトやみゆき達が思わず言葉を失うなか、やよいが和也の異変に気が付く。

見てみると、和也からどす黒いオーラと殺意が滲み出ていた。

「……悪い。一翔……どうやらノゾミを五体満足で帰してやれそうもないみたいだ……」

和也はそう言いながらレイを握りしめ、ノゾミに向かおうとする。

バッ!!

「待ってください。和也さん……ここからは私にやらせてください……」

が、佳奈多との通信を終えたセッテが和也の前に出ながら真剣な表情でそう言う。

「……大丈夫なのか?」

「……ドクターやウーノ、トーレと一緒に脱獄して、『Xマジンラー』に所属していた頃、奴らが開発したコアメダルに宿った邪悪な意思、ゼウスに乗っ取られて暴走していた私をノゾミは止めて、助けてくれました……」

真剣な表情でそう尋ねる和也に対し、セッテはノゾミと知り合うきっかけになった『ゼウス事件』の時のことを思い起こしながらそう答える。

「だから、今度は私がノゾミを助ける番です。」

「……わかった。なら、ノゾミの相手はおまえに任せる……」

和也はそう言いながら一歩下がり、空間の維持に集中する。

「ヴェルザ!!春美さん達を!!」

「ッ!!わかった!!」

「って助けられるの!?」

ノゾミと対峙しながらそう言うセッテにそう返事しながら春美に駆け寄るヴェルザに対し、なおはそう言う。

「私の能力を使えば大丈夫……」

パァァァ・・・

対するヴェルザはそう言いながら春美の傷痕に手を当て黄金の光、『再誕』の能力を流し込み始める。

(今、お姉ちゃんに何が起きているのかはわからないけど……私は信じている。お姉ちゃんが私を救ってくれた優しいお姉ちゃんに戻るのを……)

「……うっ……ゲホゲホッ!!」

ヴェルザがそう思いながら流し込むなか、春美の傷が完治し、春美は息を吹き返す。

その後、ヴェルザは春美に現状を説明し、春美と協力して一輝、ひかる、和輝、貴利矢の治療を始めた。
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