異世界、『幻想卿』・・・

「蒼牙閣下。どうされたのだ？」

ノゾミが使い魔として召喚したにとりと阿号の出身地である『幻想卿』のとある場所にて、一翔達の友人の一人であるリヒテルはそう自分の上司兼友人である男性、飛龍竜一蒼牙にそう尋ねる。

「リヒテルよ。少々、奇妙なことが起きた。」

「？奇妙なこと……と言うと？」

「……にとりと阿号が使い魔として異世界に召喚された。」

「！？にとりと阿号が！？」

「召喚先は『ウェズペリア』。召喚主は『冥界神』、中村一翔とその妻、スィン・ナカムラの一人娘だ。」

「一翔殿とスィンの一人娘……なら、心配は必要ないな……しかし、何故あの二人が？」

「わからん。だが、もしかするとあの二人は『ウェズペリア』に必要とされて、呼ばれたのかもしれん………」

「？蒼牙閣下。それは一体どういうことなのだ？」

「……『マジンラー』のことは知っているな……？」

「『マジンラー』……確か阿号が紫様の手によってこの『幻想卿』に来る前、牙狼、電王、ウィザードとその仲間達と協力して壊滅させたイマジンとホラーの連合軍………」

「……その『マジンラー』の残党がこの『幻想卿』だけでなく、『ウェズペリア』を始めとする他世界にも侵攻しようとしているらしい………」

「！？なんですって！！」

かつて、阿号が仲間と協力して壊滅させたイマジンとホラーの連合軍、『マジンラー』の残党が『ウェズペリア』も狙っているということに対し、リヒテルは思わず声を荒げながらそう言う。

「無論、『ウェズペリア』にはおまえの信頼する中村一翔とその仲間達、そして阿号とにとりの二人もいるから大丈夫だとは思うが……」

「……了解した。そのことを一翔殿や阿号達に伝えにこれから『ウェズペリア』へ向かいます。」

「あぁ、念のための戦力としてマイトとガイン、そして、私も同行しよう。なにやら嫌な予感がするからな。」

「了解した。」

こうしてリヒテルと蒼牙は『ウェズペリア』へ向かうことになった。