光と闇を抱いた少女

キュアビューティVSジョーカーロイミュード・・・

「はぁ……はぁ……」

「フフフ………」

その頃、ビューティに変身したれいかはリベンジャーと融合してジョーカーロイミュードに変身したジョーカーに二刀流の氷の剣をへし折られ、苦戦していた。

(くっ……前より明らかに強くなっている……)

「フフフ……弱いですね。キュアビューティ……」

『まぁ、前の記憶がないというのもあるだろうがな。』

「くっ……何の……話ですか……!?」

自分を見ながらそう意味深なことを言うジョーカーとリベンジャーに対し、ビューティは睨み付けながらそう尋ねる。

「おやおや……本当に思い出せないんですね。自分がどんな存在だったかを……」スッ

対するジョーカーロイミュードはそう言いながら『Movur』との取り引きで入手した紫魂鏡と赤黒いボール、『赤黒っ鼻』を取り出す。

「出でよ!!NEOアカンベェ!!」

パキィィィンッ!!

「アカンベェ~~~ッ!!」

ジョーカーロイミュードがそう言った瞬間、赤黒っ鼻と紫魂鏡が一つになり、巨大な紫の鏡に手足が付き、ガラス部分には赤黒い鼻のピエロの顔のような模様の付いた怪物、NEOアカンベェに変身する。

「!?」

「思い出せないのなら思い出させてさしあげますよ。紫魂鏡を素体にして生み出したこのNEOアカンベェの“力”を使ってね。」

ジョーカーロイミュードがそう言うなか、NEOアカンベェはビューティの姿に自身に映し出す。

カァァァ・・・ッ!!

すると、NEOアカンベェの顔から紫の光が放たれる。

「!?」

次の瞬間、先程までビューティの姿を映し出していたNEOアカンベェの顔にビューティではないピンクの髪に黒いコスチュームの少女・・・これまでビューティの夢の中で何度も現れた、先輩プリキュア、キュアドリームの影から生み出された最初の闇のプリキュア、ダークドリームの姿が映し出される。

「これは……夢の中の……!?」

「それはあなたの前世、あなたのかつての姿ですよ。」

NEOアカンベェに映し出されたダークドリームにそう困惑の声を上げるビューティに対し、ジョーカーロイミュードは不敵な笑みを浮かべながらそう説明する。

「私の前世……ッ!?」

その時、今まで眠り続けていたビューティのダークドリームとしての記憶がNEOアカンベェの“力”によって呼び覚まされる。

「あ……あぁ………」

「思い出しましたか?あなたもまた私達と同じ闇の住人だということを………」

ダークドリームとしての記憶を取り戻し、思わず震えだすビューティに対し、ジョーカーロイミュードが背後からささやきかける。

「あなたには最初からプリキュアの資格処か彼女達と共に日の当たる世界で生きる資格すらない。相容れる筈もない……何故なら、あなたは元はプリキュアを倒すためだけに生み出された存在……闇のプリキュア、ダークドリームなのだから!!」

パァァァンッ!!

ガクッ!!

その瞬間、変身が強制解除され、れいかはその場で涙を流しながら膝を折る。

「絶望しましたか?自分の原点を知って……」

『その絶望したまま、再び闇に還るといい………』

ズオオオォォォーーーッ!!

ジョーカーとリベンジャーがそう言った瞬間、NEOアカンベェから闇が噴き出し、れいかを包み込む。

次の瞬間、絶望したれいかはそのままNEOアカンベェに取り込まれる。

「フフフ……キュアビューティは墜ちた……」

『後は残りのプリキュアを始末するのみ……』

「れいか!!」

「助けに来たよ!!」

その後、ジョーカーとリベンジャーがそう言うなか、そう言うなおとみゆきを始めとするノゾミ達八人がその場に駆けつける。

「おや?少し遅かったですね。スマイルプリキュアの皆さんにノゾミ・ナカムラさん、セッテ・クロハラさん、マコト・アイト君、ヴェルザ・ナカムラさん………」

「!?その声はジョーカー!?」

「れいかは何処!?」

リベンジャーと融合し、ジョーカーロイミュードに変身したジョーカーの姿にみゆきがそう困惑の声を上げるなか、なおは睨み付けながらそう尋ねる。

「青木れいかさんならここにいますよ。」

対するジョーカーロイミュードは隣にいるNEOアカンベェを指差しながらそう答える。

「!?赤黒い鼻のアカンベェ!?」

「まさか、れいかはそいつの中に!?」

「えぇ………」

『青木れいかは自分の前世に隠された真実を知り、絶望してこのNEOアカンベェに取り込まれた……我々にマイナスエネルギーを供給し続けるエネルギー源としてな……』

コォォォ・・・

バチチチチチチチィィィンッ!!

ジョーカーとリベンジャーがそう言った瞬間、NEOアカンベェの頭上の空間に穴が開き、NEOアカンベェから黒い雷・・・絶望したれいかの心の闇から生み出されたマイナスエネルギーがその穴を通って『Xマジンラー』本部へと流れていった。
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