光と闇を抱いた少女

「まさか、魔法が実在する世界に飛ばされるとは……」

「ビックリだよねー。」

「はい!!」

「まぁ、『メルヘンランド』とかもあるから、そういった世界もあってもおかしくないと思うけどなぁー。」

「だね。」

私の『ウェズペリア』についての説明を聞いた後、れいかちゃん、みゆきちゃん、やよいちゃん、あかねちゃん、なおちゃんの五人がそう言う。

あ。今の視点は私、ノゾミ・ナカムラなので悪しからず。

「で、みゆきちゃん達はどうしてこの世界に来たの?」

そんなみゆきちゃん達に対し、私は首を傾げながらそう尋ねる。

「実は……」

そんな私に対し、れいかちゃんが代表してこの世界に来た、否、飛ばされてきた経緯について、説明を始めた・・・





時を遡ること数時間前、地球、『ふしぎ図書館』・・・

「はっぷっぷー……」

「いやいや。みゆき。言い出しっぺがそんな状態でどないすんねん。」

スマイルプリキュアとしての秘密基地である『ふしぎ図書館』にて、机に突っ伏してはっぷっぷー状態になっているみゆきに対し、あかねはそうツッコミを入れる。

「だってぇ……いまいちピンとくるお話が思い付かないんだもん……」

「せやから前のシンデレラのような既存の話でええんちゃうかって言うたやないか。」

「まぁ、自分達で話し合って決めたオリジナルのお話でいきたいというのは良い案だと思いますけどね。」

「やよい。やよいは漫画家を目指してるんでしょ?何か良い筋書きとかはないの?」

「え、え~と……」

今度の学園祭でやる人形劇のシナリオについて、みゆき、あかね、れいか、なお、やよいの五人がそう話し合いながら頭を悩ませるなか、

「!?近くに闇の気配がするクル!!」

「「「「「!?」」」」」

近くにいる闇の気配を察知したキャンディがそう言う。

「闇の気配ってピエーロも完全に倒して、バッドエンド王国も壊滅した筈じゃ……」

「とにかく行ってみよう!!」

みゆき達はそう言いながらすぐさまふしぎ図書館から飛び出す。

「フフフ……お久しぶりですね。スマイルプリキュアの皆さん……」

「「「「「「!?ジョーカー!?」」」」」」

すると次の瞬間、嘗て、みゆき達によって完全に倒されたバッドエンド王国の皇帝、ピエーロに吸収され、共に倒された筈のジョーカーが現れる。

「生きてたの!?」

「いいえ。消えましたよ。あなた達に倒されたピエーロ様と一緒にね。ですが、偉大なる『Xマジンラー』の幹部の一人、リベンジャー様によってこうして復活したのです!!」

困惑しながらもそう尋ねるみゆきに対し、ジョーカーは両腕を広げながらそう答える。

「?『Xマジンラー』?」

「新たな敵でしょうか。」

「何にせよ、ウチらがやることは変わらへん。」スッ

「そうね……」スッ

ジョーカーを復活させた『Xマジンラー』のことについて、やよいが首を傾げながらそう言い、れいかがそう言うなか、あかねとなおはそう言いながらスマイルパクトとキュアデコルを取り出し、他の三人もスマイルパクトとキュアデコルを取り出す。

「フフフ……」

パァァァ・・・

「「「「「「!?」」」」」」

が、ジョーカーが不敵な笑みを浮かべた瞬間、みゆき達の目の前に銀のオーロラが出現する。

「な、なんや!?これ!!」

「今回の私の目的はあなた方への再会の挨拶と案内状を渡すことです……あなた方に相応しい死に場所へのね……」

「「「「「きゃあああぁぁぁーーーっ!?」」」」」

「クルウウウゥゥゥーーーッ!?」

次の瞬間、みゆき達は銀のオーロラに呑み込まれ、その場から消えた。
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