光と闇を抱いた少女

辺りがすっかり暗くなった何処かの遊園地。

その遊園地で対峙する、髪型が微妙に違うものの同じ顔立ちの二人のピンクの髪の少女。

片方は白を基調とし、胸や手の甲にピンクの蝶の意匠が施された格好をし、もう片方は黒を基調とし、胸や手の甲にピンクのクリスタルの意匠が施された格好をしている。

モウモウ・・・

ガクッ!!

「うっ……ひっく……」

何らかの攻撃を受けたのか、観覧車から煙が上がるなか、黒い方の少女は膝を折り、涙を流し始める。

そんな少女に対し、白い方の少女が歩み寄り、優しい笑顔で手を差しのべる。

「ここを一緒に出よう。」

「!」

「ねっ♪」





現在、『希望の翼』、二階、寝室・・・

「うっ……」

(また……あの夢……)

「あ!気が付いた!!」

「れいか!!」

『希望の翼』の二階に寝室にて、そう思いながら目を覚ましたれいかに対し、近くで看ていたみゆきとなおがそう言い、二人と一緒に看ていたあかね、やよい、キャンディの三人も安堵の表情を浮かべる。

「みゆきさん。なお。皆……ここは?」

そんなみゆき達に対し、れいかはそう尋ねながら身体を起き上がらせる。

「ここはギルド、『希望の翼』だよ。」

そんなれいかに対し、ドアの近くでみゆき達と一緒に看ていたノゾミがそう答える。

「?あなたは?」

「私はノゾミ・ナカムラ。よろしくね。」

「この人が気を失っていたれいかを助けて、ここまで運んでくれたんだよ。」

首を傾げながらそう尋ねるれいかに対し、ノゾミは笑顔でそう自己紹介をし、ノゾミから経緯を聞いたなおがそう説明する。

「そうだったんですか……ありがとうございます。助けてもらって……」

「いやいや。私は偶々、ここで受けた依頼であの氷山にしか原生していない白雪華を採取しに行ってただけだから……本当、無事でよかったよ。」

「?依頼?……そういえば先程、ギルドとかって言っていましたが、ここは日本じゃないんですか?」

「あぁ~~~、日本処かあなた達が元いた世界じゃないんだよねぇ~~~。ここは。」

「?」

その後、ノゾミはれいかを含めたみゆき達六人に『ウェズペリア』のことについて、改めて説明した。
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