皆で楽しい運動会☆

応援席・・・

「頑張れ……セッテ……」

その頃、応援席にて、『Xマジンラー』やスカリエッティ達にも内緒で応援に来ていた、赤い帽子にサングラスを着けた今時の若者ファッション姿のトーレがそう言いながら、シノブ・エツコペアに苦戦しているセッテ・ノゾミペアを見つめる。

「やっぱり『妹』のことが心配?トーレ。」ニコニコ

「!?」

そんなトーレに対し、いつの間にか隣にいたリサがニコニコしながらそう尋ねる。

「あ。言っとくけど、ここでドンパチする気はないし、管理局に突き出す気もないから安心してね。」

「……そうか……」

「で?セッテのことはやっぱり心配?」

「……全く心配ではないと言えば、嘘になる……が、連れ戻す気にはなれん。あんな組織にいるよりも今の生活の方があいつにとって良い。なにせ感情が殆んどなかったあいつが感情と友を手に入れたからな……」

苦戦しながらもノゾミと一緒に競技を楽しんでいるセッテを見ながら、トーレは笑顔でそう答える。

「……そっか……」

「……二木佳奈多、いや、八神佳奈多の件はすまなかった……」

「フフ……それはもう解決したから謝らなくていいよ。それより……フェイト達、『機動六課』に時折、『Xマジンラー』の動きに関する情報を匿名で流しているのはあなた達ね。バレたら危ないのに無茶なことをするね。」

「そんなことは百も承知だ。奴らが私達以上に危険な組織だということも含めてな。」

ノゾミとセッテの試合を見ながら、少しだけ真剣な表情でそう言うリサに対し、トーレも真剣な表情でそう言う。

「できることならすぐにでも抜けてそちらと合流したいが、奴らがドクターを重宝している今は難しい。」

「?あなたとウーノはそんなに拘束されてないの?」

「あぁ、ドクターが私達を連れて組織に入る際、私達の行動のある程度の自由を条件に出していてな。そのおかげで私とウーノはそれなりに自由に行動できるし、セッテに関しては裏切った今でも裏切り者としてのお咎めもない。」

「なるほどね……」

「まぁ、それでも奴らの監視に対して、細心の注意を払っているがな。」

「ふぅーん……まぁ、本当に気を付けてね。セッテは勿論、私達もあなた達が合流してくるのを待ってるから……」

「……あぁ……」

その後もリサとトーレは周りを警戒しながらも観戦を続けた。
14/18ページ
スキ