夜天の王と二人の帝王

フェイトVSG6・・・

ドカカカカカカカカカカカカカカカッ!!

ユライト・ハイパーシャドウに変身したフェイトは今、ハイパークロックアップを使ってるにも関わらず、G6と激しい肉弾戦を繰り広げる。

(くっ……ハイパークロックアップを使ってもついて来られるなんて……このG6、思ってたより強い……!!)

『Hyper Clock Over』

フェイトが苦い表情をしながらそう思うなか、ハイパークロックアップが解除される。

ズオオオォォォッ!!バシィィィンッ!!

「!?」

それと同時にG6が右腕を元の触手に戻し、フェイトに巻きつかせて身動きを封じる。

「しまった!!」

ギュルルルルルルルッ!!

身動きを封じられたフェイトがそう言うなか、G6は左腕をドリル状に変化させ、フェイトを貫こうと伸ばしてくる。

ズオオオォォォッ!!ガキィィィンッ!!

「「!?」」

が、その瞬間、地面から分厚い壁が現れ、G6のドリルを受け止める。

「!?」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

ズババババババババババババババババババババァンッ!!

続けて今度は大量の槍が地面から飛び出し、フェイトを拘束していたG6の触手を斬り裂く。

「なんとか間に合ったな……」

「!?蝶雷カワヒラコライ!!」

次の瞬間、何処からか某豆粒ドチビな錬金術師に酷似した少年・・・フェイトが『アクエリアス』で作成した、人化した魔武器の刀、蝶雷がそう言いながら現れる。

「って誰が豆粒ドチビかーっ!!」

「ど、どうしたの?蝶雷。」

「いや、なんか今、言わなきゃいけないような気がして……」

「?」

二人がそう話をするなか、G6は両腕をドリルに変えて、襲いかかろうとする。

「!?」

が、何故か身体が痺れて動けなかった。

「あぁ、言ってなかったが、地面から錬成した壁や槍には雷を纏わせてる。少しでも触れたら、痺れて動けなくなるぜ。」

「ッ!!」

そんなG6に蝶雷がそう説明するなか、フェイトはクナイフォームにしていたツヴァイをライザーフォームに変える。

『Load Cartridge. Rider power get set』

「ライダーブレイカー!!」

『RIDER BREAKER』

ズガアアアァァァンッ!!

次の瞬間、フェイトは雷による麻痺で身動きを封じられたG6に向けて、“ライトニングライザーブレイカー”を放つ。

ドッカァァァンッ!!

フェイトの“ライトニングライザーブレイカー”を食らい、G6は爆発する。

ボンッ!!バサバサッ!!

が、その爆煙の中から先程までG6の中で操作していた、『Xマジンラー』が生み出した寄生生物、ブラーガの変異種、黒いキペペオが飛び出してくる。

プツンッ!!

キペペオを見た瞬間、フェイトの中で何かが切れる。

「……蝶雷……」

「お、おう……』

いつもより明らかに低い声でそう言うフェイトに蝶雷は思わずおののきながらも刀身が薄い黄色の、セツや蝶炎のような鍔なしの刀に変わり、フェイトは蝶雷を手に取る。

「ハイパークロックアップ!!」

『Hyper Clock Up』

・・・フッ・・・

続いて、フェイトがそう言いながらハイパーゼクターを叩いた瞬間、フェイト以外の時が止まる。

先程までついて来れたキペペオもG6を失ったことでその動きを止める。

ズババババババババババババババババババババァンッ!!

その止まった世界でフェイトは蝶雷を光速で振るい、キペペオを『華』を描くように斬っていく。

『Hyper Clock Over』

「!?」

バチィィィンッ!!

そうしてハイパークロックアップが解除された瞬間、キペペオの身体から無数の雷の華が突き破りながら咲き乱れ、体内の全ての血液からの直接の感電、並びに無数の雷の華が持つ電圧の熱によってキペペオは断末魔の叫びを上げる間もなく消滅した。

「“血雷華”……汚物は綺麗に滅菌しなきゃね……」

『あぁ、そういえば、マスターはあんな感じのは大の苦手だったな……』

キペペオを倒した後、目が全く笑っていない笑顔でそう言うフェイトに対し、蝶雷は苦笑いしながらそう言った。
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