夜天の王と二人の帝王

「………」

アリサに勝利した後、はやては少しの間、アリサが消滅した所を見つめながら佇んでいた。

「よくもアリサを……私の娘をやったわね!!」

「!?」

そんななか、ジェミニとの戦いから離脱した佳奈多が怒りと憎悪に満ちた目で睨み付けながら現れる。

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『STANDING BY』

「変身!!」

『COMPLETE』

パキィィィンッ!!

佳奈多は再びオーガに変身する。

「!?オーガ」

「ふんっ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

オーガに変身した佳奈多にはやてがそう困惑の声を上げるのも束の間、佳奈多は急接近しながらはやての腹に拳を叩き込む。

「ぐふっ!?」

「はあああぁぁぁっ!!」

ドカッ!!バキッ!!ドコッ!!

「ガッ!?ぐっ!?あっ!?」

その後、佳奈多は左フック、右フック、膝蹴りを食らわせ、

「はぁっ!!」

ドカァァァンッ!!

回し蹴りを食らわせて蹴り飛ばす。

「『きゃあああぁぁぁーーーっ!?』」

バシュッ!!・・・パァァァ・・・

その瞬間、はやてとリィンのユニゾンがリィンが弾き出される形で解除され、はやても一時的に意識を失ったことで変身も解除される。

「!?主はやて!!ッ!?」

「「「!?」」」

「グルルル・・・ッ!!」

リィンとのユニゾンとファイズへの変身が解除されたはやてを見て、そう言うシグナムを始めとするヴォルケンリッターの四人は援護しようとする。

が、何処からか、クリムゾンヘッドやモールデッドといったBOWが大量に現れ、四人の行く手を阻む。

「終わりよ……」スッ

そんななか、佳奈多はそう言いながらオーガストランザーを取り出す。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

佳奈多はそう言いながら、倒れているはやて目掛けてオーガストランザーを振り下ろす。

「ッ!!」

ガキィィィンッ!!

「ちっ!!」

が、その瞬間、意識を取り戻したはやては転がることでなんとかかわしながら佳奈多から距離を取る。

「はぁ……はぁ……」

「よく動けたわね。でも、次はそうはいかないわ。」スッ

距離を取った後、息を切らしながらなんとか立ち上がるはやてに対し、佳奈多はそう言いながらオーガストランザーを構える。

(くっ……やっぱり佳奈多さんは強いなぁ……この人を相手にするんやったら、アレを使うしかあらへん……)

パァァァ・・・

対するはやてはそう考えながら、自らバリアジャケットの騎士甲冑を解除する。

「!?何のつもり」

「佳奈多さんを元に戻すために!!私に“力”を貸して!!リメンズ・ハーツ!!セットアップ!!」

そう言う佳奈多の言葉の最中、はやてはそう言いながら、希望島で佑人から手渡されてから着けていた髪飾り、非人格の融合型のデバイス、『リメンズ・ハーツ』に手をかける。

リィンッ!!パァァァ・・・

すると、リメンズ・ハーツからそう言う鈴の音と共に桜色の光がはやてを包み込む。

パキィィィンッ!!

次の瞬間、はやては桜色の袴姿のバリアジャケットに身を包んでいた。

「!?」

「行くで!!佳奈多さん!!いや、お母さん!!」

新たなはやてのバリアジャケット姿に驚愕の表情を浮かべる佳奈多に対し、はやてはそう言いながら左腰に挿していた、刀身が薄い桜色の刀を抜き、両手で握って構えながら向かっていく。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「くっ!!」

ガキィィィンッ!!

斬りかかってきたはやての刀を佳奈多はオーガストランザーで受け止める。

「やあああぁぁぁーーーっ!!」

「ッ!!」

ガキキキキキキキキキキキキキキキキキィンッ!!

が、はやては素早い剣撃を佳奈多から教わった剣道の型で繰り出し、佳奈多はオーガストランザーでなんとか応戦する。

ガキキキキキキキキキキキキキキキキキィンッ!!

「くっ……刀を振るスピードが速くなっているだけでなく、刃も鋭く、キレも良くなってるわね……ッ!?」

そんななか、佳奈多は自分がふと呟いた言葉に驚愕する。

確かにはやての刀を振るスピードは速く、刃も鋭い上に技のキレも良い。

だが、今の呟きはまるで自分が以前から彼女の剣の腕前を知っているような口振りだった。
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