夜天の王と二人の帝王

ヴォルケンリッターVSサイガ・・・

「「「「はぁ……はぁ……」」」」

「………」

ヴォルケンリッターの四人は今、『Xマジンラー』からの刺客であるサイガに苦戦していた。

ブォォォンッ!!キィッ!!

「皆!!大丈夫か!?」

そんななか、既にバリアジャケット姿のはやてがそう言いながら、佳奈多が残していたオートバジンに乗って駆けつけてくる。

その左肩にはリィンも乗っている。

「「はやて(ちゃん)!!」」

「主!!」

「主はやて……どうしてここに?」

「無論、皆を護るためや!!いくでぇ!!リィン!!」

「はいです!!」

「「ユニゾン・イン!!」」

パキィィィンッ!!

首を傾げながらそう尋ねるシグナムにそう答えながら、はやてはそう言いながらリィンとユニゾンしてサイガと対峙する。

「漸く来ましたか。『歩くロストロギア』、八神はやて……しかし、ただの魔導師がライダーに勝てると本気でお思いですか?」

リィンとユニゾンして対峙するはやてに対し、サイガは若干見下しながらも警戒する。

「確かに私一人じゃライダーに対抗できひん。けど、リィンとユニゾンすることでできることがある!!」ガチャンッ!!

対するはやてはそう言いながら、夜天の書からファイズドライバーを取り出し、装着する。

「!?そのベルトは!?」

555 ENTER

『STANDING BY』

「変身!!」

『COMPLETE』

パキィィィンッ!!

サイガがそう困惑の声を上げるなか、はやてはファイズに変身した。

「佳奈多さんを……お母さんを返してもらうで!!!」

「ッ!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

そんなはやてに対し、サイガはフライングアタッカーで飛び立ち、光弾の雨を降らせる。

「“バルムンク”!!」

ズドォォォンッ!!

対するはやてはその雨を掻い潜りながら“バルムンク”を放つ。

「くっ!!」

(今や!!)

サイガが“バルムンク”に気を取られている隙にはやてはファイズフォンからミッションメモリーを引き抜き、ファイズアクセルから抜き取ったアクセルメモリーをセットする。

『COMPLETE』

パキィィィンッ!!

『START UP』

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「くっ!!」

次の瞬間、アクセルフォームに変わったはやては超高速で縦横無尽に動き回り、“バルムンク”に苦戦するサイガをさらに翻弄する。

「やぁっ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

そんななか、はやてはサイガの一瞬の隙を突いて、フライングアタッカーを殴り壊して、地面に叩き落とす。

「ぐっ!?」

『THREE』

『TWO』

『ONE』

『TIME OUT. REFORMATION』

「………」

地面に降り立つと同時にはやてのアクセルフォームが解除される。

「くそっ!!」

叩き落とされたサイガはそう言いながら、フライングアタッカーのバーニア部分をバージし、ミッションメモリーをセットして操縦捍をトンファーモードに変える。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

『EXCEED CHARGE』

次の瞬間、サイガはそう言いながら、サイガフォンのボタンを押しながら向かってくる。

「大技が来るで!!リィン!!」

『わかってます!!』

「!」

そんななか、シグナムはオートバジンに駆け寄り、左ハンドルに手をかける。

「頼む!!オートバジン!!主を護るためにおまえの剣を貸してくれ!!」

ガチャンッ!!

シグナムがそう呼びかけた瞬間、左ハンドルのグリップが外れ、ファイズエッジになる。

「ありがとう……主はやて!!」ブンッ!!

シグナムはオートバジンにそう礼を言ってから、はやてにファイズエッジを投げ渡す。

「ッ!!」パシッ!!

『EXCEED CHARGE』

対するはやては受け取ったファイズエッジにミッションメモリーをセットしてフォトンの刃を展開する。

「………」

展開した後、はやては仮面の下で瞳を閉じ、両手でファイズエッジを握り、正面に構える。

思い浮かぶは『母』から学んだ剣道。

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

サイガがそう言いながらトンファーを突き出してくる。

「……胴っ!!!」

「!?」

が、はやては突き出されたトンファーを掻い潜りながら、サイガの腹部にファイズエッジの刃を押し込む。

「ぐっ!?佳奈多さんのためにも……負けられない!!」

「私だって佳奈多さんは・・・お母さんは譲れないんやあああぁぁぁーーーっ!!」

ズバァァァンッ!!

ドッカァァァンッ!!

はやてがそう言いながらファイズエッジを振り抜き、斬り飛ばした瞬間、サイガが爆発し、土煙に包み込まれる。

ボンッ!!

次の瞬間、土煙の中から砂と共に変身者だった女性が姿を現す。

その正体は元の世界で闇梨紗と共に佳奈多の娘となる前に死んで英霊となったアリサ・イリーニチナ・アミエーラだった。

「くっ……」

土煙から出た後、アリサはそう言いながら立ち上がろうとする。

ドサッ!!

が、身体に力が入らず、倒れてしまう。

対するはやては変身を解かずにアリサを見下ろす。

「あの人は私の親になってくれた人で母親の暖かみをくれた人なんや……せやから、お母さんは譲れへん……」

「くっ……ッ!?」

パァァァ・・・

そんななか、アリサの身体が端から徐々に光の粒子になって消滅していく。

そのことに気付くと同時にガミジンの死霊術と断片化による洗脳が解けたアリサは潔く負けを認め、清々しい笑顔でその場に座り込みながら、はやてに手を差し出す。

「はやてさん、でしたね。どうか、佳奈多さんを助けてあげてください……私達が救えなかったあの人を……あなたは……どうか……」

アリサは最期に自分の想いをはやてに託しながら、そう言いながら消滅した。
14/40ページ
スキ