夜天の王と二人の帝王

地球(リンクス次元)、希望島・・・

「はあああぁぁぁっ!!」

ズバァァァンッ!!

『GR装備 黒天牙狼』の開発Projectが始動してから一月が経った頃、夢羽は生まれ変わった黒狼牙・・・黒天牙狼を振るい、テスト用に出された三十体のター○ネーター最後の一体を横に一刀両断する。

「ふぅ……」

「夢羽っちwww」

「チョー!!シッ!!はイカ餓カニ?∨(^▽^)∨チョキチョキ」

最後のターミ○ーターを一刀両断した後、一息吐く夢羽に対し、彩夏とアリシエが笑顔でそう尋ねる。

「ん。計算上はかなりの重量がある筈なのに全然重く感じないし、凄く良い感じ。」

「それは素材に使ったソウルメタルのおかげだね。」

以前とは違い、刀身がGNバスターソードⅢ、銃身がGNソードⅢ、装甲がサイドバインダーに変わった、神機形態の黒天牙狼を見ながらそう答える夢羽に対し、にとりはそう言う。

「それに『クロ』が私の思考を読み取って、素早く変形してくれるし……凄く助かる……」

『恐れ入ります。マスター。』

黒天牙狼を見ながらそう言う夢羽に対し、偶発的にもAIとして復活したヒナタのかつての相棒、クロがそう言う。

「しかし、まさか、クロが黒天牙狼のAIとして復活するとはな。」

「やっぱり、ちょっと複雑?ヒナタ君。」

偶発的にも黒天牙狼のAIとして復活したかつての相棒を見ながらそう言うヒナタに対し、リサは首を傾げながらそう尋ねる。

「まぁ、ちょっとはな。だが、夢羽なら安心して任せられる・・・」

「そっか・・・そういえば、お父さんは?」

「あぁ、義父さんははやてを連れて昔、この研究所で佳奈多さんが使っていた部屋に行ってるぞ。」

何故かこの場にはいない佑人のことについて、首を傾げながらそう言うリサに対し、ヒナタはそう説明する。

「?佳奈多さんの?」

「あぁ、なんでもその部屋にあったパソコンの中に佳奈多さんがはやて宛てに残していたと思われるデータが見つかったらしくてな。今、そのデータを見てもらっているところだ。」

佳奈多の部屋・・・

「これは……」

その頃、佑人と共に部屋に訪れていたはやてはパソコンに映し出されていたあるデータを見て、息を飲んでいた。

「佑人さん。このデータは本当にお母さんが……」

「あぁ。俺も一昨日、見つけて初めて知ったが恐らく、佳奈多は万が一のことを考えて、このデータを残していたんだ。」

「お母さん……」

ピピッ!!ピピッ!!

「ん?緊急連絡……シグナムからや。」

そんななか、今は他の守護騎士達と共に『ウェズペリア』にいるシグナムから緊急連絡が入る。

ヴゥンッ!!

『大変です!!主はやて!!』

「どないしたんや?シグナム。」

『『アトラン王国』の街中で至る所に銀のオーロラが出現!!大量のBOWが現れて暴れています!!』

「「!?」」

『今、映像をそちらに送ります!!』

ヴゥンッ!!

通信越しにシグナムがそう言うのと同時に出現した空間モニターには街中で暴れるプレイグクローラー、ラーカー、インフェクテッドバット、クリムゾンヘッド、リッカー、ウーズ、モールデッドといったBOWの姿が映し出されている。

「かなりの数だな……」

『今はテスタロッサや一翔さん達が迎撃に向かって、我々も今から迎撃に向かいます!!』

「わかった。私もすぐにリサさんや彩夏さん達を連れて、そっちに向かう!!何がなんでも人々を護るんや!!!」

『了解しました!!』

モニターに映し出されたBOWの数の多さに佑人がそう言うなか、はやてはそう指示を出し、シグナムもそう返事しながら通信を切る。

「それじゃあ、佑人さん。私はすぐに『ウェズペリア』に」

「待て。はやて。行くんならこれらを持っていけ。」

その後、そう言いながら部屋を出ようとするはやてに対し、佑人はそう言いながら若干古びた二つ玉の髪飾りと佳奈多が使っていたファイズギアを手渡す。

「!?佑人さん。この髪飾りはもしかして……」

「さっき、見せたデータの中にあった設計図を元に昨日、リィンに頼んで、おまえの所からこっそり持ってきてもらったダブルオーライザーの破片を使って作ったもんだ。ファイズギアもデータにあった理論で変身できるように調整しといた。」

「ありがとうございます。佑人さん。行ってきます!!」

佑人から受け取った髪飾りを着けてから、はやてはそう言いながら部屋を出ていった。
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