Project『黒天牙狼』始動!!

「……姉さん達もウェスカーが『Xマジンラー』製のG装備を手に入れたことは聞いてるよね?」

「えぇ。フェイトから聞いたわ。」

「そのG装備を装着したウェスカーを相手に私は為す術もなく負けて、同じくG装備を装着した佳奈多さんも敗北して連れ拐われた……」

「………」

「あの後、私は思った……今のままじゃ……ライダーの“力”だけじゃウェスカーには勝てない……」

「……ウェスカーを倒すためにこの装備を……」

「うん。それに少なくとも今は適合したGウイルスのおかげで開発を断念した理由の一つである大きな負担にも耐えられる身体になっているしね……」

設計図を見ながら、真剣な表情でそう言うリサに対し、夢羽も真剣な表情でそう言う。

その後、場が緊張感のある空気に包まれる。

(リサ。少しだけ交代してもらって良いかい?)

(梨奈……うん。わかった……)

そんななか、リサの中にいるリサのもう一つの人格で妹でもある梨奈が頭の中でそうリサに言い、リサもそう言いながら主導権を梨奈に渡す。

「夢羽。ちょっと良いかい?」

「……梨奈姉さん……」

「君の言う通り、アルケーガルムを手に入れたウェスカーに勝つにはこの装備を完成させる必要はあると思う……けど、この装備のアーマードを使うにはGウイルスの“力”が必要なのはわかるよね?」

「うん……」

「そして、君は『Xマジンラー』との戦いが完全に終わった後、ネフィーネさんの治療を受けて元に戻ることを佳奈多さんと約束した……そのことを忘れてないよね?」

「勿論……」

「つまり、『Xマジンラー』との戦いが完全に終われば、君はこのアーマードの“力”を失うことになりかねない……そうなることへの覚悟はあるかい?」

人格交代した後、梨奈は真剣な表情でそう夢羽に尋ねる。

「……その覚悟はこの装備を完成させようと決めると同時に決めていたよ。戦いが終われば、私はGウイルスと共にこのアーマード、GR装備の“力”を失う……それでも私は“力”を手にしたい……ウェスカーや『Xマジンラー』を倒し、大切な皆を護るための“力”を……」

対する夢羽は揺らぐことのない強い覚悟を秘めた目で設計図を見ながらそう答える。

(覚悟は十分……か……リサはどう思う?)

(私は反対しないよ。今のやりとりで夢羽の覚悟はわかったから。)

(決まりだね。)

「じゃあ、ボク達は協力するけどその代わり、条件がある。」

「なに?」

「……このGR装備をライダーに変身しなくても装着できるようにすること。戦いが終わった後、アーマードだけ失われるのは黒狼牙が……黒天牙狼が可哀想だ……」

「わかった。」

設計図を見ながら真剣な表情でそう言う梨奈に対し、夢羽も真剣な表情でそう言う。

(それじゃあ、身体を返すよ。リサ。)

(うん。)

「という訳で私と梨奈は夢羽に協力するけど、皆はどう?」

「うぉっ!?今度はリサっちかwww」

ギトギト、ワカサギが無くなるネ時々、わかんなくなるね(^∀^;)」

梨奈から主導権を返してもらった後、そう言ってくるリサに対し、彩夏とアリシエはそう言った。
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