今度は臨界神と縁魔神が来ました

後日、ナカムラ家前・・・

「まさか、俺がいない間にヴェルザがノゾミの義妹になるとはな……」

「………」プイッ

自分を見つめながらそう言うラース君に対し、私の隣にいるヴェルザはプイッとそっぽを向く。

あ。どうも。視点は作者から変わって私、ノゾミ・ナカムラなので悪しからず。

って私はまた誰に説明してるんだろう?

「今回はごめんなさい。こちらの問題にあなた達を巻き込んでしまって……」

私がそう思いながら首を傾げるなか、セッテが真剣な表情でそうラース君達に謝罪する。

「んあ?あぁ、そんなもん、連中がヴァンディルドを回収して、ポンコツ会長やウザ副会長が仲間になっちまってた時点で巻き込まれてるもんだから気にするな。」

「そのヴァンディルドもクロハラさんが取り返してくれたしね。」

そんなセッテに対し、ラース君はどうでも良さそうな感じでそう言い、バソー君は昨日、セッテから返還されたヴァンディルドを取り出しながら笑顔でそう言う。

「あ。これ、俺からの餞別な。」パチンッ!!

パァァァ・・・

「「「「「!?」」」」」

ラース君がそう言いながら指パッチンした瞬間、私、セッテ、雪那ちゃん、美咲ちゃん、ヴェルザの前に白い光が現れる。

次の瞬間、私の前には白い槍が、セッテの前には白い大剣が、雪那ちゃんの前には白い弓矢が、美咲ちゃんの前には白い大鎌が、ヴェルザの前には白いクナイが出現した。

「ってラース君。これらは?」

「俺の【最後】の【チカラ】を具現化させた武器達だ。『終局の槍』、『遷化ゼンゲの大剣』、『易簀エキサクの弓矢』、『物故ブッコの鎌』、『結句の苦無クナイ』……今回、世話になった礼も兼ねた置き土産だ。雪那に関しては知り合った縁ということ、ヴェルザに関してはノゾミの義妹になったことに対する祝いという意味での置き土産だけどな。」

白い武器達を見ながら、首を傾げながらそう尋ねる私に対し、ラース君は普通な感じでそう説明してくれる。

あ。今日はラース君達が自分達の世界に帰る日だったりします。

因みにリヒテルさん達と和也さん達は先に自分達の世界に一旦戻り、はやてさんとフェイトさんはフェイトさんが療養中のため、まだ少しの間、こちらに残るそうです。はい。

って私はまた誰に説明してるんだろう?

「あ。因みにそれらの武器は俺が認めたもの以外が触れると、『過程とかすっ飛ばして最後にしちまう』から扱いは気ぃ付けろよ。」

「いたいけな女の子五人になんつう危険物、渡してんの。」

「同感。」

私がそう思いながら首を傾げるなか、五つの武器について、そう説明してくれるラース君に対し、美咲ちゃんとヴェルザがそうツッコミを入れる。

「?いたいけ?この五人の中に『いたいけな女の子』なんていたか?」

「「よろしい。ならば、戦争よ(だ)。」」

わりかし真面目な表情でそう言うラース君に対し、美咲ちゃんとヴェルザはそう言いながら、物故の鎌と結句の苦無を構える。

「いやいや!!美咲にヴェルザ!!」

「気持ちはわかるが落ち着け!!」

が、すぐさまセッテとデュアが羽交い締めにしながら、そう言いながら止める。

「美咲はともかく、ヴェルザはなんでそのネタを知ってるんだよ……」

「あはは……」

「あ。バソー君。これ、渡しとくね。」

セッテとデュアに羽交い締めにされている二人を見ながらラース君が呆れながらそう言い、バソー君が苦笑いするなか、私はそう言いながらライダーパスをバソー君に手渡す。

「?ノゾミさん。これは?」

「お父さんが持ってる次元列車、サイライナーのライダーパスだよ。それがあれば、お父さんのサイライナーで次元移動できるから。」

「私も先程、貰いました。」

ライダーパスを見ながら、首を傾げながらそう尋ねてくるバソー君に私がそう説明するなか、雪那ちゃんもそう言いながらさっき、私が渡したライダーパスを見せる。

「なんでバソ兄だけに渡しとくんだ?」

「?う~ん……なんとなく?」

「……あっそう……」

「あ。ラース。バソー。これ、義母さんから異世界通信端末。それがあれば、帰った後も私達と連絡を取り合えるから。」

「美咲。」

「ラースに渡すもんがあるんやなかった?」

セッテがそう言いながら異世界通信端末をラース君とバソー君に渡すなか、マミゾウさんと一緒に見送りに来ていたエリーチカとノンがそう美咲ちゃんに話しかける。

「あ。そうだった。ラース……」

「ん?」

「……はい。これ……」

私がそう思いながら首を傾げるなか、美咲ちゃんはそう言いながら紙袋をラース君に手渡す。

「?美咲。これは?」

「マミゾウさんの店で買ったマンゴーと蜂蜜を使って、私が作った手作りケーキよ。ありがたく受け取っときなさい。」

紙袋を見ながら、首を傾げながらそう尋ねるラース君に対し、美咲ちゃんはそっぽを向きながらそう言う。

なんか顔が赤いよ?美咲ちゃん。

「まぁ、ありがとよ。」

「………」

「んじゃあ、サイライナーを呼ぶぞ。」

お父さんはそう言いながら、ラース君達を送り届けるためのサイライナーを呼ぶ。

「じゃあな。皆。世話になった。」

「今度、こちらに来ることがあったら言ってください。街中とか案内しますから。」

「短い間でしたが、楽しかったです。」

「ピィ~♪」

「「じゃあねぇ~♪」」

ラース君、バソー君、ミトクちゃん、ベスタート、金華君、銀華君の五人と一匹はそう言いながら、サイライナーに乗っていく。

そうしてラース君達は自分達の世界へと帰っていった。

「そういえば、雪那ちゃんはどうするの?」

「そうですね……せっかく次元を渡ってきたのでもう暫くはこちらにいようかと。お母さん達からも許可を貰いましたし。」

「そうなんだ。」
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