リビング・・・

「さて、『Ｘマジンラー』との現在の戦局についての情報を整理した所で彼女のことについてなんだが……」

「………」

和也がはやての部屋でラースから最近のエグゼイドのことについて、教えてもらい、夢羽が自分の部屋でGR装備の開発を決意した頃、一翔達や一輝達といった事件の関係者と話し合った後、リヒテルはそう言いながら、一度はノゾミを殺したものの生き返らせる形で『Ｘマジンラー』を裏切ったヴェルザを見る。

他の者も追従するようにヴェルザを見る。

「！」ﾋﾞｸｯ!!

「ほら。ヴェルザ。とりあえず今はちゃんと謝ろ？ね？」

その周りからの視線に思わずビクつくヴェルザに対し、ノゾミは安心させるように後ろからヴェルザの両肩に両手を起き、優しい笑顔でそう言う。

「……ごめんなさい……」

「一番最初に謝るべき相手は僕達じゃなくて、ノゾミだと思うけど？」

「うぅ……」

「お父さん！！」

「っていうのは冗談として、『Ｘマジンラー』から抜けて反省もしているんなら、僕もスィンもこれ以上責める気はない。」

「そうね。『Ｘマジンラー』を裏切っただけでなく、一度は死んだノゾミを生き返らせてくれたしね。リヒテルさんや一輝さん達はどうですか？」

『異議なし。』

ヴェルザの処遇について、首を傾げながらそう尋ねるスィンに対し、リヒテルや一輝達はそう言う。

「………」

「んで、君の今後のことについて、僕達夫婦からの提案なんだけど……」

「あなた、私達の娘になる気はないかしら？」

今まで自分がしてきたことを後悔しているのか、顔を俯かせているヴェルザに対し、一翔とスィンは優しい笑顔でそう提案する。

「え？」

「ノゾミから聞いた君の過去のことを考えたら、十分情状酌量の余地はあると思うし。」

「更正のチャンスをあげるにしても親代わりは必要だし。」

「ちょうど二人目も欲しいと思ってたところだったしな。」

「で、でも、私は一度、あなた達の娘をッ！？」

ガバッ！！

そう言うヴェルザの言葉の最中、スィンが自分の子にするかのようにヴェルザを抱き締める。

「確かにあなたは一度、ノゾミを殺した。けど、そのノゾミを自分の“力”で生き返らせて、助けてくれたじゃない。」

「あ……」

「ありがとう。うちのノゾミを助けてくれて……」

「ッ……」

ヴェルザは思わず涙を流しながら抱き締め返す。

まるで子が母に甘えるかのように・・・

「ということでこの子はうちで引き取るということで良いですか？」

「あぁ。和也やこっちの『機動六課』には俺が話しとく。」

「リサ達の次元の方の『機動六課』には私が話しておこう。」

そんなヴェルザを見ながらそう尋ねる一翔に対し、一輝とリヒテルはそう言う。

こうしてヴェルザはナカムラ家の養子になった。

「ところで、さっきから気になってたんだけど、そこにいる子は誰？」

そんななか、ひかるが雪那を指差しながら、首を傾げながらそう言い、一輝達やリヒテル達も首を傾げながら雪那を見つめる。

「はじめまして。私は『第九世界』から来た綺原雪那と言います。」

そんなひかる達に対し、雪那は笑顔でそう自己紹介をした。