今度は臨界神と縁魔神が来ました

「くっ………」フラッ

「どうして……どうして避けなかった!?」

斬り裂かれた後、ふらつき出すノゾミに対し、ヴェルザは真剣な表情でそう尋ねる。

「言ったでしょ……あなたの憎しみを……全部、受け止めるって……」

対するノゾミはそう言いながら、傷口を押さえながらヴェルザに歩み寄っていく。

(そんな……『終焉』の能力をまともに食らって、立っているだけでもあり得ないのに……)

「ッ!!」

ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!

ふらつきながらも歩み寄ってくるノゾミに恐怖を感じたのか、ヴェルザは最初の不意討ちに放った“風の刃”を大量に放ってくる。

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガァンッ!!

「………」

が、ノゾミはそれらの攻撃をまともに受けて、身体中に切り傷を負いながらも歩み寄っていく。

「ヒィッ!?」

「………」

もう死んでもおかしくないのに歩み寄ってくるノゾミの姿にヴェルザが思わず悲鳴を上げるなか、ノゾミはヴェルザの目の前まで辿り着く。

「ッ!!」

(殺される!!)

そう思ったヴェルザは思わず目を瞑る。

ガバッ!!

「!?」

「………」

が、ノゾミは何も言わずにヴェルザを抱き締めた。

まるで姉が妹にするかのように・・・

パァァァ・・・

「!?」

「………」

その瞬間、白銀が混ざった空色の光、ノゾミのNSによる感応現象が起き、ノゾミの大切な家族や友達との日々の記憶と一緒に温かい感情がヴェルザの中に流れ込んでいく。

「あ……あぁ……」

「大丈夫……もう、何も怖くない……怖くない……」

「な、なんで……なんで赤の他人でしかないおまえがここまで……!?」

「あはは……何て言えば良いかな……強いて言うなら私のエゴかな……」

思わず涙を流しながらそう尋ねるヴェルザに対し、ノゾミは今にも消えそうな笑顔でそう言葉を紡ぐ。

「今回はあなたの両親から頼まれたっていうのもあるけど……私は誰かが悲しんでたり、苦しんでたりするのを見ると放っておけない性格なの……だから、助ける……」

「………」

「まぁ、今回はちょっと……やり方を間違えちゃった……かな……」

「!?」

その瞬間、ヴェルザを抱き締めていたノゾミの手が滑り落ちた。

「はぁっ!!」

ズガアアアァァァンッ!!

「きゃあああぁぁぁーーーっ!?」

「ふぅ……ん?……おぉ。ヴェルザ・シャッテンドゥンケハイト!!よくやった!!まさか、あの厄介なノゾミ・ナカムラを始末するとは……」

フリーズの破壊光線で美咲を吹き飛ばした後、ヴェルザと戦っていたノゾミがこと切れたことに気付いたリベンジャーがそうヴェルザを賞賛する。

「……ふ……」

「ん?」

「ふざけるなあぁあぁぁあああぁああぁぁぁあぁああぁあああぁぁあぁああぁあぁあぁぁあああぁああぁぁぁあぁああぁあぁっ!!!」

カアアアァァァーーーッ!!

「!?」

が、次の瞬間、そう叫ぶヴェルザの身体から黄金の光が溢れだした。
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