今度は臨界神と縁魔神が来ました

セッテVS勇者(屑)・・・

「はあああぁぁぁーーーっ!!」

「くっ!!」

ガキキキキキキキキキキキキキキキィンッ!!

エレンが『魔女の家』でウィッチドーパントを撃破した頃、エヴォリューションメモリとイージスゼクターでイージスエヴァに変身したセッテは今、先程までとは打って変わってフィアーとイージスソードの二刀流と素早いスピードで勇者(屑)を圧倒していた。

「くっ……なんで……なんでヴァンディルドの『分砕・吸収』能力が通用しないの!?」

『どうやら主が手にしたエヴォリューションメモリの“力”で私の封印する“力”がヴァンディルドの能力を封印できる程にまで『進化』したみたいだな。』

「このままこいつを倒すよ!!フィアー!!」

『了解!!』

先程までセッテを追いつめていた要因の一つであるヴァンディルドの能力が通用しなくなったことに勇者(屑)がそう困惑の声を上げるなか、セッテとフィアーはそう言う。

「くっ!!」

そんなセッテを殴ろうと、勇者(屑)は右手に持ったヴァンディルドを徐(おもむろ)に振り上げる。

「!はぁっ!!」

「!?」

ズバァァァンッ!!

が、その瞬間、セッテはフィアーで勇者(屑)のヴァンディルドを持った右腕を斬り裂く。

「ぎゃあああぁぁぁーーーっ!!?」

「!?」

右腕を斬られたことに勇者(屑)がそう苦痛の声を上げるなか、セッテは先程まで感じていた『領域』の影響が消滅したことに気付く。

「フィアー。これってもしかして……」

『うむ。私もエヴォリューションメモリの“力”でここまで進化できるとは思わなかった……まさか、屑の腕だけでなく『領域』まで斬り裂ける程になるとは……』

思わぬ嬉しい誤算にセッテとフィアーがそう話をするなか、斬り裂かれ、宙に舞った右腕からヴァンディルドが滑り落ち、セッテの目の前まで落ちてくる。

『主!!』

「ッ!!」パシッ!!

セッテはすぐさまイージスソードを消し、右手でヴァンディルドを手に取り、

「はぁっ!!」

「!?」

ドカァァァンッ!!

ヴァンディルドで勇者(屑)の腹を思いきり殴り、吹き飛ばす。

「ぐわあああぁぁぁーーーっ!?」

「!?」

パァァァ・・・

勇者(屑)が吹き飛ばされるなか、ヴァンディルドが『分砕』の能力で削り取った、今まで勇者(屑)に削り取られていた自分のも含めたステータスがセッテに流れ込む。

『主……』

「……さっきまでおまえに奪われていた私の“力”、半分は返してもらったぞ……」

「くっ……オノレエエエェェェーーーッ!!!」

ズリュオオオォォォッ!!

「『!?』」

勇者(屑)がそう言った瞬間、斬り裂かれた右腕の断面から五本の細い黒い触手が飛び出し、地面に落ちた方の右腕の断面にくっつく。

くっついた後、触手は右腕を勇者(屑)の元まで引き寄せ、修復させる。

「『……キモッ!!』」

「勇者デアル僕ニ傷ヲ付ケタナ!!殺ス!!殺シテヤル!!!」

勇者(屑)の右腕が修復される一部始終を見て、思わずそう言うセッテに対し、勇者(屑)はそう言いながら襲いかかろうとする。

「そこまでだ。留坂修。」

が、その瞬間、勇者(屑)の背後にエンドに変身したガミジンがそう言いながら現れる。

「!?仮面ライダー!?」

「ガミジンさん!!」

「『領域』が破られた上に向こうは進化のガイアメモリに選ばれ、新たな“力”に覚醒した。おまけにヴァンディルドで半分のステータスを奪い返された今のおまえには分が悪い……一旦退くぞ。」

「くっ……」

「じゃあな。」

パァァァ・・・

次の瞬間、勇者(屑)はガミジンと共に銀のオーロラでその場から去っていった。
32/49ページ
スキ