今度は臨界神と縁魔神が来ました

「ふむ……覇道。Dr.スカリエッティに依頼した例のロストロギア、いや、魔神器の調整は終わってるな?」

「うん。今は勇者(屑)に装備させてるよ。父さん。」

「ならばちょうど良い。勇者(屑)も含めた部隊を編成し、『ウェズペリア』へ向かえ。『臨界神』と『縁魔神』を始末し、奴らの所持する聖神器と魔神器を奪うのだ。」

「了解。ついでに僕も行くけど良いよね?この前はリベンジャーと一緒にその魔神器を回収していたから戦闘に参加できなかったし。」

「俺も行かせてもらおうか。漸く使いこなせるようになったアレで朝田唄乃の娘とまた戦いたいんでな。」

「良いだろう。好きにするが良い。」

「待て。こいつらも一緒に行かせて良いか?」

「「………」」

覇道とウェスカーに出撃許可を出すカンナギに対し、ガミジンがそう言いながら茶髪の少年と黒髪の少女を伴って入ってくる。

「?ガミジン。そいつらは?」

「『エルラルド』で『王』……『ウェズペリア』の『アトラン王国』で言う帝を担っていた二人だ。実力はまあまあ、心になかなかの闇も抱えてたから捕らえて断片化させた……案外、使えるかもしれないぞ……」

「ふむ……」

「……私も行く……」

自ら断片化させた二人を見ながらそう言うガミジンの言葉にカンナギが顎に手を当てながらそう思案するなか、女の子は真剣な表情でそう言う。

「元より私はラースと再び戦い、倒すためにこの組織に入った……忘れたわけじゃないよね?リベンジャー……」

出撃を希望した後、女の子はリベンジャーを睨み付けながらそう言う。

「……良いだろう。組織に入ってからの初陣として君の出撃も許可する。リベンジャー。貴様も監督役として一緒に行け。」

「了解。」

「ガミジンが推薦した二人の出撃も許可する。行け。」

そうして覇道、ウェスカー、女の子、リベンジャー、ガミジン、断片二人の計七人は出ていく。

「断片ねぇ……この前、私が殺っちゃったアレもそうだけど、本当に役に立つのかしらね……」

「ふん。使えぬのなら使えるものを奪って切り捨てるまで。で、今回、貴様はどうするつもりだ?闇梨紗よ。」

七人が出ていった後、未だに壁に寄りかかりながらそう言う闇梨紗に対し、カンナギは真剣な表情でそう尋ねる。

「そうねぇ……今回は部屋で寝させてもらうわ。じゃあね。」

対する闇梨紗はそう言いながら出ていく。

「相変わらず、彼女は気分屋ですね。」

「ふん……」

闇梨紗が出ていった後、加頭とカンナギはそう言った。

廊下・・・

「蝶炎。」シュッ

玉座の間から出て、No.2として用意された自分の部屋へと続く廊下で闇梨紗はそう言いながら腰に差していた蝶炎を外し、目の前に放り投げる。

パァァァ

「おっと……」スタッ

すると、蝶炎は黒い光を放ちながら、黒のショートヘアに紅い瞳、和風なゴスロリドレスを着た、身長150くらいの巨乳美少女の姿に変わる。

「なんだぁ?主。どうした?」

「蝶炎。あんたのその姿は組織の連中も『私』達も知らない。だから、その姿でこっそり付いて行って動向を見届けなさい。」

「?見届けるって誰の動向を見届けるんだよ?」

組織とは関係ない所でそう指示を出す闇梨紗に対し、人化した蝶炎は首を傾げながらそう尋ねる。










「さっき、新しく入った、まだ心の奥底では闇に染まりきっていない銀髪の子よ。」
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