いざ!魔武器生成と使い魔召喚へ!!

ゴンッ!!

「ぷぎゅっ!?」

「え?」

「にとり!?」

え?なに?にとりの頭に突然、本が落ちてきたんだけど……

「痛た……なに?この本……」

「『テンプレに関する本』(著者:転生者)とあるな……」

転生者……多分、異世界にいるお父さん達の友達の中の誰かからの贈り物だね。

「死神よ!!僕に従え!!“ダークチェーンバインド”!!」

にとりの頭に落ちてきた本について、私がそう思っているなか、カバオはそう言いながら、“闇の鎖”で死神を拘束しようとする。

スカッ

が、カバオが放った“闇の鎖”は死神の身体をすり抜ける。

「……え?」

『……哀れだな……そんなもので私をどうこうできると本気で思っていたのなら、抱きしめてやりたい程に哀れだ……』

思わずすっとんきょうな声を上げるカバオに対し、死神は哀れみの眼で見ながらそう言う。

「あ……あぁ……」ペタン

『私は世界の意思の代行者、世界の秩序を守る者。故に私に魔法も物理も効かない。』

思わずへたり込んだカバオに対し、死神は淡々とそう言う。

ってあれ?この魔力は……

『今回、貴様が禁忌召喚に使った血は貴様以外は家畜と既に使い魔召喚を終えた者の血だった……家畜は裁きの対象外、既に使い魔召喚を終えた者は無効……故に今回は貴様一人を断罪すれば、裁きは終わる……』

死神はそう言いながら、腰に差していた刀を抜く。

「って刀!?普通、死神の武器って大鎌じゃないの!?」

その死神が抜いた刀を見て、マコト君がそうツッコミを入れる。

ってあの刀……そして、この魔力……間違いない。この死神は彩夏さんの使い魔のミオだ……そういえば最近、ミオは死神としての仕事をするために『冥界』に戻ってるって彩夏さんが言ってたっけ……

『さぁ、己の身勝手な欲望で禁忌を冒した哀れな人間よ。裁きの時だ……』

「あ……助け……」

私がそう思っているなか、ミオは抜いた刀、烈風丸を振り上げる。

「あ。ノゾミ。」

「ん?なに?にとり。」

「さっき、贈られてきた本を読んでみたんだけど、こういう時は……」

ガキンッ!!

「僕の目の前で人は殺させない!!」

「勇者(屑)って奴が決まって死神の邪魔をするらしいよ?」

「………」

にとりがそう言ったまさにその時、勇者(屑)が魔武器であろう黄金の剣でミオの烈風丸を受け止めた。

……あんの屑野郎が(怒)!!
24/37ページ
スキ