『アトラン王国』、商店街、蜂蜜屋、『ツーロック』前・・・

「お。美咲。ノゾミ。セッテ。サクラ。紫蓮。今、依頼が終わった帰りかの？」

「あ。マミゾウさん。」

「「「「こんにちは。」」」」

「！？二ツ岩マミゾウ！？」

その後、『アトラン王国』に入った後、ギルドへ向かう途中、偶々、通りがかった『ツーロック』の前でそう話しかけてきたマミゾウさんに私達がそう言うなか、ラース君がマミゾウさんを見ながら、そう困惑の声を上げる。

「ん？見慣れない子達がいるが？」

そんななか、マミゾウさんがラース君達を見ながら、首を傾げながらそう尋ねてくる。

「あぁ、この子達はカクカクシカジカーーー」

「なるほどのぉ……儂は二ツ岩マミゾウ。見ての通り、狸の妖怪でこの蜂蜜屋の店主じゃぞい。よろしくのぉ。」

「こちらこそ、バソーって言います。こっちが双子の弟のラース、ミトク、魔武器擬きの双子の魔法銃の金華と銀華、ラースの頭に乗っている小さいドラゴンはラースの使い魔のベスタートです。」

「ラースだ。よろしく。」

「「「よろしくお願いします。」」」

「スゥ・・・スゥ・・・」

私の説明を聞いた後、そう自己紹介をするマミゾウさんに対し、バソー君、ラース君、金華君、銀華君、ミトクちゃんの五人はそう自己紹介をする。

因みにベスタートはラース君の頭の上で丸くなって寝ています。はい。

って私はまた誰に説明してるんだろう？

「マミゾウさん。この瓶の中身は？」

私がそう思いながら首を傾げるなか、ラース君が店に置いてある商品の一つである小瓶の中身について、そう尋ねる。

「あぁ、それはマンゴーの蜂蜜漬けじゃ。一瓶300Gで売っておる。」

「五瓶売ってくれ。」

「金はあるのかのぅ？聞いたところ、この世界に来て間もないようじゃが・・・」

「（´・ω・｀）」

うわっ。落ち込み方がわかりやすい。

「(ｸｽｯ)しょうがないわね。お金は私が出してあげるわ。」

わかりやすく落ち込むラース君を見て、私がそう思うなか、美咲ちゃんが少しだけ笑いながらそう言う。

「って美咲ちゃん。」

「良いのか？」

「えぇ。ラースにはさっきのも含めて三回も助けてもらっているからね。ほんの小さなお礼よ。」

首を傾げながらそう尋ねる私とセッテに対し、美咲ちゃんは笑顔でそう言う。

「べ、別に嬉しくなんかないんだからね！！」

「「……ツンデレ？」」

「(女だけど)ハッ倒すぞ。」

「「ごめんなさい。」」

真顔でそう言うラース君に私とセッテがそう謝るなか、美咲ちゃんはマミゾウさんにマンゴーの蜂蜜漬け五瓶分の代金を支払い、蜂蜜漬けを受け取る。

「はい。ラース。」

「……ありがとよ……」

そう言いながら蜂蜜漬けを差し出す美咲ちゃんに対し、ラース君はそう言いながら受け取る。

「どういたしまして。じゃあマミゾウさん。また後で。」

「うむ……」

そうして私達はマミゾウさんと別れ、ギルドへと向かった。