新たな転生者

放課後、グラウンド・・・

その後、ノゾミ達と談笑した後の授業を受け終えた放課後、私は今、グラウンドに来ている。

理由は私の魔武器の生成と使い魔を召喚するためだ。

まぁ、使い魔は前にいた世界で既に『凶破竜』のジャバがいるんだけど、ガラル様とノーズワルド様によってこの世界に再転生してからはまだ新しい使い魔をGETしてないし、魔武器も作ってなかったからなぁ・・・

あ。因みにノゾミ達に対する呼び方についてはノゾミ達の方からアカリと同様、名前呼びで良いと言われたのでそう呼んでいるので悪しからず。

それにしてもまさか、ヴィオラとエレン、セッテの三人がそれぞれの原作の世界から来た本人達だという話にはビックリしたわ。

まぁ、三人とも、原作とは違う点が多々あるけど・・・特にエレンとセッテ・・・

「しかしまぁ、これもテンプレなのかしらね……」

そう言う私の視線の先には興味本意で来たのだろう、大勢の生徒や教師達がいた。

・・・これ、下手したら全校生徒と教師全員、来てない?

「それじゃあ始めましょうか。白銀さん。」

「………こんな衆人環視のなかでですか?」

「クロハラさんにも言ったけど、諦めて。はい。これが魔石ね。」

ヴィヴィオ先生はそう言いながら、魔石を渡してくる。

・・・転生者でもないのにこの完成度は凄いわね・・・

「それに魔力を流すことで自分に合った武器の形になって、名前を付けてあげることで能力がわかるから。」

「……わかりました……」

ヴィヴィオ先生からそう説明された後、私はそう言いながら魔力を流す。

パアアアァァァッ!!

すると、魔石から強い光が放たれ、辺りを包む。

「くっ……」

私はそう言いながら、すぐさまガラル様から貰った『創造クリエイト』でサングラスを創造し、装着する。

『目が!?目があああぁぁぁーーーっ!!?』

あ。ギャラリーの生徒のほとんどがム○カ大佐になったみたいね。

パァァァ・・・

私がそう思っているなか、光が収まっていく。

光が完全に収まると、先程まで魔石を握っていた私の手にはエメラルドの刀身に蒼い宝石が嵌め込まれた白い鍔、水色の柄の片手剣が握られていた。

「この剣………」

なんかあいつが持っていた剣に似てるわね・・・あいつ・・・元気にしているのかしら?

「おぉ……美咲ちゃんの魔武器の剣、綺麗だね。セッテ。」

「そうだね。ノゾミ。」

出来上がった剣を見ながら私がそう思っているなか、アカリ達と一緒にギャラリーに混ざって見に来ていたノゾミとセッテはそう言う。

二人や一緒にいるアカリ達は普通にしているところからみて、彼女達はム○化してなかったみたいね。

「ぐおおお………目、目が………(⊃Д⊂)」

訂正。マコトはム○化してたわ。

と、そんなことは置いといて、今はこの剣に名前を付けるとしましょうか。

「……スターダスト……」

パァァァ

私がそう思いながら名前を付けた瞬間、剣、スターダストが淡い光を放ち、能力に関する情報が流れ込んでくる。

(ふむ……スターダストを装備している時のオートでの身体強化と魔法の威力強化はテンプレだからわかるとして……『残撃』と『再発フラッシュバック』?)

流れ込んできた情報にあった四つの内の二つの能力の名前に首を傾げるなか、今度はその能力に関する情報が流れ込んでくる。

残撃:自分が放った魔法や技の軌跡を残せる。例えば、斬撃の場合、放ってから壁か何かに当たるまでの軌跡が残り、放った自分や自分が味方と認識しているもの以外のものが触れると斬れる。この能力で残した軌跡を操作することも可能。

再発:相手が受けた心や体の傷を掘り起こす。

・・・なかなか使い勝手が良くて強力な能力ね・・・

「美咲ちゃん。スターダストにはどんな能力が宿ってたの?」

私がそう思っているなか、ノゾミ達と一緒に見学に来ていたアカリがそう尋ねてくる。

「うん。装備している時のオートでの身体強化、魔法の威力強化、残撃、再発が宿ってたよ。」

「「「「「「「「「?残撃?再発?」」」」」」」」」

あ。ハモった。

「残撃というのは……ちょっと見てて。」

そんなアカリ達に対し、私はそう言いながら偶々、視界に入った一本の木の隣にある岩に向けて、スターダストを横凪ぎに振るう。

ズバァァァンッ!!

ズガァァァンッ!!

すると、スターダストからエメラルドの斬撃がエメラルドの帯のような軌跡を描きながら岩に向かって飛んでいき、岩にぶつかって亀裂を入れながら止まる。

『!?』

「こんな風に斬撃や魔法の軌跡を残すことができて……」

放った斬撃が描き、尚、消えない軌跡を見て、アカリ達やギャラリーが驚愕の表情を浮かべるなか、私はそう言いながらスターダストの切っ先を岩の隣にある木の方に向ける。

ズバァァァンッ!!

すると、岩に突き刺さった形で停滞していた斬撃の軌跡がスターダストに合わせるように横に移動し、木を横に一刀両断する。

「残した軌跡はこうやって操ることができ、放った私や私が味方と認識したものは触れても何の影響もなく、こうやって乗ることもできるの。」

木を一刀両断した後、私はそう言いながら軌跡の上に飛び乗る。

やりようによってはスバルのウィングロードのようなことができるわね。

「あ。後、再発というのは相手が過去に受けた心や体の傷を掘り起こす能力よ。」

下りながら、残した軌跡を消しながら私は再発について、そう説明する。

屑とかには結構有効的な能力だと思う。

「これはまた凄い能力だね。」

「さっきのやつ、なんかノーヴェの“エアライナー”みたいだね。」

「じゃあ、次は使い魔召喚にいこうか。」

そんな私の説明を聞いて、ノゾミとセッテがそう言うなか、ヴィヴィオ先生はそう言いながら、あらかじめ用意されていた使い魔召喚用の魔法陣の方を見る。

「その魔法陣に魔力を流して、自分だけの詠唱をすれば召喚できるから。」

「わかりました。」

ヴィヴィオ先生にそう返事しながら魔法陣に魔力を流し込む。

すると、頭の中にある詠唱文が浮かび、私はそれを口にする。

「『その者達は異形のもの。一人は肉親の恨みを晴らすべく人であることを棄て、一人は人々の闇から産まれしもの。しかし、博麗の巫女と出逢い、光を得た彼らは闇の存在でありながら人々を護る側になった者達。かつて、自分達が冒した罪を償うため、彼らは今日も抗い続ける。』」

パァァァ・・・

私がそう詠唱した瞬間、魔法陣が輝き始める。

次の瞬間、私の意識がブラックアウトした。
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