半妖と女神と歌姫

『ある者達』の臭いを嗅ぎとったモモタロスの後を追って、ノゾミ達が出てみると、『希望の翼』の周りに多数のモールイマジンや低級ホラー、グール、人工キメラが取り囲んでいる。

「ッ……ここら辺辺りだけでもかなりの数がいるな……」

「国内にいる怪人達全員を殲滅するとなると骨が折れそうですね。」

「はははははっ!!兄ちゃん!!総帥の言う通り、電王がいるぜぇ!!」

「フフフ……久しぶりだな。電王……」

自分達を取り囲む怪人達を見て、竜哉とフランが真剣な表情でそう言うなか、怪人達の真ん中にいる二人組の男性が不敵な笑みを浮かべながらそう言う。

「なんでてめぇらがここにいる?……クチヒコにミミヒコ!!てめぇらは俺達が倒した筈だぞ!!」

「フフフ……俺達二人も甦ったのだ……『Xマジンラー』の幹部として!!」

そんな二人組・・・かつて、自分達が倒したオニ一族の首領であるクチヒコ・ミミヒコ兄弟を見ながら、そう困惑の声を上げるモモタロスに対し、クチヒコが不敵な笑みを浮かべながらそう言う。

「!妖術、壱の型、“雹花”!!」

「!?」

「え!?夜見さん!?」

ズドドドドドッ!!

そんななか、突然、夜見がそう言いながらアキに向けて、花の花弁のような雹を放つ。

ズガガガガガァンッ!!

「くっ!?」

『!?』

すると次の瞬間、そう言う第三者の声と共に夜見が放った“雹花”がアキの手前で『何者か』に命中する。

『Clock Over』

・・・スゥ・・・

『!?』

「くっ……」

「!?あなたは……」

すると次の瞬間、アキの近くに先程、夜見が放った“雹花”によって多少のダメージを負った燐がそう言いながら姿を現す。

「ちっ!!クロックアップした俺の存在によく気が付いたな……」

燐はそう言いながら、今度は転移でクチヒコ・ミミヒコ兄弟の隣まで移動する。

「ありがとう。夜見ちゃん。助かったよ。」

「別に。私は妙な殺気を感じたから撃っただけだ。」

「ところであの人も『Xマジンラー』のメンバーの一人なんですか?」

そうお礼を言うアキに夜見がそう言うなか、フランは燐のことについて、そう尋ねる。

「あの人は御劔燐。『Xマジンラー』のメンバーの一人でお母さん達と同じ転生者。で人工キメラの制作者だよ。前に戦った時はクロックアップ能力を持ってなかったのに……」

「あの後、能力を使って白いサナギ体ワームと融合したんだよ。てめぇを殺すためにな!!」

「お喋りはここまでだ。ミミヒコ。」

「あぁ!!兄ちゃん!!」

「「変身!!」」

バキィィィンッ×2!!

燐のことについて、そう説明しながら首を傾げるアキに燐が憎悪を込めた瞳で睨み付けながらそう言うなか、クチヒコ・ミミヒコ兄弟はそう言いながら、クチヒコは黄金の錫杖で、ミミヒコは純銀の金棒で自分達の頭上の空間に穴を開ける。

バチバチバチッ!!

すると、穴からマイナスエネルギーの雷が二人に降り注ぐ。

パキィィィンッ×2!!

次の瞬間、クチヒコはゴルドラに、ミミヒコはシルバラに変身した。

「いくよ!!セッテ!!皆!!」

『ドライバーオン・プリーズ』

ゴルドラとシルバラに変身したクチヒコ・ミミヒコ兄弟を見て、ノゾミはそう言いながらホープドライバーを装着し、左手の薬指にソルリングを嵌める。

『シャバドゥビタッチヘンシーン!!シャバドゥビタッチヘンシーン!!』

「変身!!」

『ソル・プリーズ。サンサン・・・サンサン・・・ッ!!』

パキィィィンッ!!

次の瞬間、ノゾミはホープ・ソルスタイルに変身する。

『コネクト・プリーズ』

「さぁ、希望のショータイムよ。」

「来て!!イージスゼクター!!」

キュィィィンッ!!ガチャンッ!!

変身した後、二刀流のホープソードガン・ソードモードを取り出し、構えながらノゾミがそう決め台詞を言うなか、セッテがそう言った瞬間、何処からか、イージスゼクターが飛んできて、右手首のライダーブレスにセットされる。

「変身!!」

『Henshin』

『Change Aegis』

パキィィィンッ!!

次の瞬間、セッテはイージスに変身した。
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