翌日、『アトラン王国』、門前・・・

「ここが『アトラン王国』か……」

月詠達が来た日の翌日の朝、『アトラン王国』の門の前にて、一翔や彩夏達が元いた世界、地球の日本にありそうな制服に身を包んだ女子高生がそう言いながら、門を見上げる。

「デ○ジャラスじー、じゃなかった。ノーズワルド様の話じゃこの国に多数の転生者がいるのよね。そろそろギルドとかに入ってお金も稼ぎたいし、ちょうど良いわね。」

「こんにちは。この国に何かご用かな？」

門を見上げながらそう言う女子高生に対し、門番が笑顔でそう話しかける。

「すいません。私、旅人で今まで一人で気儘に旅をしてたんですけど、この国でギルドにでも入ろうかと思いまして……」

「そうか……じゃあ、こちらの門から入ってくれ。」

門番はそう言いながら大きな門の隣にある人一人が通れる位の小さな門を開ける。

「？こっちの大きい方は開けないんですか？」

「そっちは基本的に大所帯の時しか使わないんだ。」

「そうですか……」

「あ。ギルドに入るんなら『希望の翼』を勧めるよ。あそこは昔から良いギルドだし、２２年前の戦争で活躍された『裁帝』様を始めとする英雄の方々も所属してるしね。」

「ありがとうございます。」

「それじゃあ、気を付けてね。」

そう言う門番の言葉を背に女子高生は『アトラン王国』へと入っていった。